ぷよぷよ(健全)

□あやクルのぴんち
1ページ/3ページ

「…。」
やはり、この体は私には向かんようだ。
使いにくい。
力が、思うように使えない。
今一度あの半身の体を手に入れねばならんな…。
「クルーク…じゃ、ないな。君は…。」
緑の服を着た、スナフキンが変になったような男が私に話し掛ける。
ん…?こいつは…。
「君は、本の中に居た子でしょ。」
「『子』とは何だ、『子』とは子供では無いわ…。」
「ん、ゴメンね。」
そいつは悪びれることなく言った。
「お詫びにキャンディーあげるから許して?」
「いらん!!そんなもの!!」
こいつは私を馬鹿にしているのか!?全く…。
…この体の本来の持ち主、クルークはこの男をやたらと慕っているようだが、私はこいつがどうも苦手だ。
我が半身とも関わりがあるようだし、気にくわない。
「ところでさ、君はどうしてクルークの中に居るの?」
「そんなもの、こいつが近くに居たからじゃ駄目なのか?」
「…それだけ?」
うっすらと笑いながらこいつは擦り寄ってくる。
…恐い!!何だか雰囲気が艶かしいし、凄く恐い!!
「もうちょっと…無いの?」
「無い無い!!ええい、近寄るな!!うわああ!!み、耳に息をかけるでないっ!!」
…一体何がしたいんだこいつは…。
「え〜?あるでしょ〜?」
何なんだこいつは!!
私の手を持ち体を擦り寄せ、首に手を回された。
…私はこいつに殺されそうだ。
「怖くないよ〜。」
「いや、恐い!!お前は十分に恐い!!」
「え〜?」
「は、離せ!!いい加減手が痛いわ!!」
こいつ、かなり力を入れて私の手を握っているな…。
「…何で、クルークの中に居るの?」
それに戻るのか!!
本当に近くに居たからなのだが…。
…………。
「それは、本当に近くに居たからであって…。」
「誤魔化さないの。」
「ごっ…………。」
誤魔化してなどいない、そう言おうとした。実際、言えば良いのだ。
言えば良いのに。
言えなかった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ