ぷよぷよ(健全)

□お前が欲しい
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「アルルーー!!お前が欲しい!!」
「何回それ言ってるのさシェゾぉ。」
シェゾはいつもボクに『お前が欲しい』っていってくるんだよね。
しかも欲しいのが『ボク』じゃなくて『ボクの力』だからいやになっちゃう。
最初に言われたときはルルー呼んでぶん殴ってもらおうかと思った。
今はそこまでは思わないけど、いつもいつも会う度に言われると、最近ブレインダムドで脳味噌溶かした末にじゅげむ食らわせてやろうかと思うようになった。
サタンよりはましかな。
いや、同じくらいかな。
まぁ、何にせよ、ボクの周りにはマトモな男の人は居ないみたいだね。
ラグナスはレベルアップしないとおチビさんだし、インキュバスはちょっと引いた。
出会い頭に薔薇渡して来るのはどうなの。
「シェゾはさぁ…」
「何だ?」
「もしもボクが『ボクの力を好きなだけシェゾにあげる』って言ったらどうするの?貰うの?」
まぁ、シェゾのこと。
『当たり前だ!!貰わないでどうする!!』とか言うんだろーな。
「どうだろうな。」
「は?」
「お前が、もし本当に力をくれると、素直に言ったら、貰わないかもしれないな。」
びっくり。
まさかそんな答えが返ってくるとは。
「何で?疑ったり、しちゃう?」
まぁ、それならば納得いくよな。
いつも嫌がってるボクが『ボクの力を好きなだけシェゾにあげる』なんて、怪しいって言うか気持ち悪いよな、うん。
「そうじゃなくて…つまらなくなるからだ。」
「何が!?」
「その…俺は、お前とのいつものやり取りを少しだけ…楽しんでいる。」
いつものやり取り。
それは、『お前が欲しい!!』『へんったぁい!!あははは〜!』みたいな、会う度に交わすただの、いわばもう挨拶に近い。
つまり、あれか。
シェゾはボクの力が欲しいだけじゃなく、ボクとのあのやり取りを楽しんでいるって言うのも一つの大きな理由としてあるわけだ。
「うふふっ。」
「な、何を笑っているんだ!!」
「え〜、何でもないよ。」
少しだけ、嬉しかった。
シェゾが興味あるのは、ボクの力だけだと思ってたから。
シェゾが、ボクとのあのやり取りをまさか楽しむためにやってると思わなかった。
だから、嬉しい。
シェゾが、ちゃんと『ボク』に興味をもってくれた。

それ以来、ボクは『お前が欲しい』と言われても前ほど嫌じゃ無くなった。
寧ろ、少しだけ、楽しくなった。


相変わらずボクの周りにはマトモな男の人は居ないみたい。
でも、シェゾに対する見方が変わったから、もしかしたら他の皆に対する見方も変えられるかも。
インキュバスは無理だとしても。
そうしたら、もっといっぱいぷよ勝負して、皆と仲良くなろ!!


まさかぷよ勝負してて飛ばされた先にさらに可笑しな男の人が居るとは思わなかったけどね。



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