ぷよぷよ(健全)

□お菓子をあげよう
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そんな…。
僕は怖がられないように言っていたのに。
それが裏目に出ていたなんて…。
「シグくん…。僕はどうしたら良いの…?」
「簡単なこと。」
シグくんはいつもの調子で言い切った。
「お菓子を配らなければ良いんだよ。」
「それは無理っだーー!!」
「でも、それくらいしか手はない。」
「いやいやいやいやあるでしょ」
「ていうかレムレスお菓子何でそんなに配ろうとするの?」
「え…?お菓子の美味しさを皆に解って欲しいから…。」
「それなら僕には少なくとも必要ない。」
「ええ!?」
シグくんにはお菓子の美味しさが伝わらないってコトかな…。
「何で…?」
「だって…。」
シグくんが俯きながら言ったことは意外なものだった。
「レムレスのお菓子が美味しいのは知ってるよ。」
「え…?」
「きっと、皆もそうだよ。」
「それは…。」
それは、僕のお菓子そのものは美味しいってコトかな…。
「それは、シグくん。僕のお菓子そのものは」
「あ〜!!シグとレムレスだーー!!どうしたの?」
僕の台詞を遮るように、それも遠くから声をかけてきた人物は、アミティだった。
「アミティー。やーほー。」
「ねーねー、何してるの?」
「レムレスの相談受けてた」
「…………相談?」
「お菓子を受け取って欲しいんだって。」
「!!」
言わなくて良いのに…。
「レムレス…。お菓子全然受け取ってもらえないもんね。」
何か哀れまれてない!?僕!!
「ね、ねぇ、レムレス。」
アミティが微妙に遠慮がちに僕へと話し相手を変えた。
「あ、アタシが、皆に言っておこうか…?」
それ!!それが嫌だったから話し相手にシグくんを選んだのに!!
「いや、良いよ。」
何か可哀想だからもらってあげようかなみたいなのが一番悲しいんだもん!!シグくんならそういうの無しに考えてくれそうだからシグくんにきいてたのに!!
「良いの…?ホントに?」
「良いよ大丈夫」
「句読点すら無くなってるけど、本当に良いの…?」
「イイヨイイヨダイジョウブキニシナイデ。」
「…………。」
ついにアミティが黙った。
片言はヤバかったか。
「じゃあ、アタシからは何も言わないね?」
ホントに良いんだね、と念を押しながらアミティはラフィーナの家に向かう。
遊びに行くところだったのか。
「レムレス…。」
「…何かなシグくん。」
まさかシグくんにまで哀れまれた!?
「ちょうだい、お菓子」
「え…。」
「言ったじゃん。レムレスのお菓子美味しい。」
「シグくん…。」
僕は精一杯の気持ちを込めてシグくんに言う。
「ありがとう。」


僕は、飛びっきり美味しいスイートキャンディーをシグくんに渡した。



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