▼企画
□優しく抱き寄せて
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ハンジは二人の関係を知っていて、リヴァイから何度か相談を受けたこともある。
「…エレンが構ってくれない…」
「うわぁなんて乙女チックな悩みなんだろう…。大方、リヴァイがなんかしちゃったんじゃないの?
あの年頃は色々とデリケートだからね」
「…どうすればいい」
「そんなの、リヴァイから押し倒しちゃえばいいんじゃない?」
「てめぇさっきデリケートだなんだって言ったよな?」
このクソメガネはもっと自分の発言に責任を持つべきだと思う。
「まぁとにかく、今日のエレンの感情が乱れていたのがこちらからも伺えた。
これからの実験に支障が出ないうちになんとかしておいてよ?」
「用が済んだならはやく出てけこの巨人バカ」
おぉっと怖い怖い、と呟きながらハンジは部屋をあとにした。
一人になったリヴァイはエレンの報告書をパラパラと捲り、頬杖をつきながら深く考え込んでいた。
今日はホントに疲れた……。
ベッドに入るといつも以上の忙しさに追われたエレンの疲れがドッと出た。
そういえば、今日の兵長ちょっと様子が変だったよなー…。
そんなことを考えながらうとうとしてると、ドアの向こうから階段を下りてくる足音が聞こえた。
その足音はドアを開けて部屋の中に入ってくる。
「…だれ?」
返事は来ず、変わりにガチャンと格子を開ける音だけが部屋に反響した。
その慣れた手つきから、足音の主がリヴァイだとすぐに解った。
「リヴァイ兵長?
どうしたんですか、こんな時間に」
依然エレンの質問には応えず、土足のままベッドに上がると、え?え?と戸惑うエレンに跨がり身を屈め、徐に唇を重ねてきた。
「ん…っ」
唇の隙間をリヴァイの可愛い舌先につつかれ、少し開くと吸い込まれるように咥内を這ってくる。
久しぶりに味わう感覚はとても生々しくて、小さく少し弾力のあるそれに軽く歯を立てたり吸い上げたりすると、口の隙間から艶めかしい吐息が漏れる。
リヴァイとのキスはすきだ。
薄く柔らかい唇が角度を変えながら何度も縋るように吸い付いてくるのは堪らなく良い。