▼エレリ
□咲き乱れて
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エレンは先日の夜の出来事を忘れられずにいた。
自分の恋い慕う人にキスをされたあの日。
眩暈がするほどに甘く、深く、濃厚で、童貞のエレンには少々刺激が強すぎたらしい。
しかも、その刺激は自慰行為を捗らせるための愚かな材料になってしまった。
そんな自分を何度嫌悪したことか。
最低だと蔑み忌み嫌ったとしても、思春期の男子には興奮する自我を抑えるのは難しい。
そして今日もまた、溢れ出す欲望を抑えきれずにいた。
「……くそ……ッ…」
―――またやっちまった……
自己嫌悪している最中に、果てたエレンの性器がシーツに擦れて、また勃ち上がろうとしていた。
「…嘘だろ…もう無理に決まってんだろ、流石にアルミン帰ってくるだろうし…」
そんな気持ちとは裏腹に、既に頭をもたげて硬くなっていた。
「はぁ、しょうがねえ…もう一回抜くか」
態勢を整え、震える手で自身を掴むと、また熱い吐息を漏らしながら愛しいその人の名前を呼ぶ。
そして、もう片方の手には、やはり薄い布が握り締められていた。