▼エレリ
□残された者達は
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「エレン…」
「俺が、もっと強ければ…助けられたかもしれない。兵長だって、怪我をすることもなかったかもしれない」
「言っただろう?結果は誰にも解らんと…。おいでエレン」
腕を軽く広げてみせるとエレンはゆっくり立ち上がり、リヴァイの胸に顔を沈めた。
まだ微かに震える肩を抱き寄せ、子供をあやすときのように背中に手を回し優しく叩く。
ポン、ポン、ポン…と、鼓動のリズムに合わせるように。
「…エレン、今の俺はきっと満足に動けない。お前が満足させてくれるよな?」
「……はい」
エレンは顔を上げ、暫く視線を絡ませ、薄く柔らかい唇にキスをした。
「ん…エレン…」
咥内を這う舌はどこか切なげで、ゆっくりとお互いの唾液を混ぜ合わせるように犯していく。
隙間から漏れるリヴァイの吐息に湿り気が出てきた頃、エレンはキスをしたまま徐にそのスカーフを解き、シャツのボタンを外していき、温もりを確かめるように自分より小さな身体を抱き締めた。
「ふっ…ぅ、ん、はあ…ッエレ…」
「兵長…すきです」
エレンは身体を退け、またしゃがみ込んだと思えばリヴァイのブーツとズボンを脱がせた。
白い身体を一瞥すると、触れられることを待ちわびているかのようにリヴァイの自身が緩く起立しはじめ、普段あまり血相のよくない頬がほんのり朱く染められている。
いつもは冷静沈着なリヴァイがエレンに全てをさらけ出すとき、身体中をベタベタの液体で濡らし、だらしなく両脚を自ら開かせ、必死に快楽を求めて乱れてしまう。
もっと喘いで、もっと激しく、もっと奥へ―――。
しかし今日は違う。
忘れて欲しい。今だけでもいい。小さな身体に生えた大きな翼を休ませて。
そして、その行動で少しでも彼の荷物を減らすことができるのなら。
甘く、蕩けるような時間を。