▼企画

□絡み合う糸を辿る
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ひょっとしたら、わたしは天才なんじゃないかと。一体何度そう思っただろう。


―――浮かれ過ぎです、分隊長。


ああちょっとモブリット!余計なとこで首を突っ込むなよ!


―――失礼しました…


ゴホン。…えー、気を取り直して。

そう。ことの発端はつい先日のことである。リヴァイとエレンが本部へ訪れたときのことだった。
エレンはいつも通りに、従順な犬のようにリヴァイの後ろを歩き、リヴァイもまたそれに満足し、二人は大層機嫌が良かった。とくにリヴァイはね。

二人が仲むつまじく、長い長い石床の廊下を歩いていると、向こうからあの金麦畑を頂いたエルヴィンがわたしとモブリットを連れてやってくるではないか。



「リヴァイ、あとでわたしの部屋に来なさい」

「あぁ、了解だエルヴィン」

「あ…あのっ!俺は…」

「勿論エレンも連れてきて構わないよ」



そう言って紳士的な笑みを浮かばせたエルヴィンはその場を通り過ぎた。


そのときわたしは見逃さなかった。

エレンがキラキラした瞳でエルヴィンの後ろ姿を見つめていたことを。
リヴァイはなにやら上機嫌で、そんなことお構いなしみたいな感じだったけどね。たぶんエレンが自分と離れるのは嫌だって思ったとでも勘違いしてたんじゃないのかな。

けど実際は違う。

エレンのエルヴィンを追うあの目は、恋をしている目だった。


面白いよね!無自覚な紳士に純粋な少年と荒みきってしまった三十路の三角関係。
マッドサイエンティストのわたしにとってはなんとも見逃しがたい展開じゃないですか!

え?科学者と三角関係は関係ない?そんなことないさ。

わたしは楽しいからやっているんだよ。巨人がすきだから実験を続ける。勿論今回のことも、わたしが興味を持ったからやる。
それだけの話さ。なにも難しい話じゃない。

さて、本題に入ろうか。


わたしは最近、巨人の実験で使った試薬品が人間に対して媚薬と同じ効果をもたらすことを発見した。

使えると思わないかい?
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