▼企画
□絡み合う糸を辿る
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「へ…へいちょう、俺、なんだか…っ」
「馬鹿野郎!だからアイツを信じるなっつったろ!」
「これはまずいな…大丈夫かエレン?」
「…っん、身体が、なんか…へん…」
「リヴァイ」
「あ?こんな時になんだエルヴィン」
えっ?
エルヴィンがリヴァイに耳打ちをして、リヴァイが頷いて。
…なんか、こっちに近づいて……!
「おい…なんだこれは。こっちにもうひとつあるぞ」
「リヴァイ、遠慮はいらん。」
「壊せ」
―――えぇっ!?
ちょ、エルヴィンなんてことを!だめだってリヴァイきみの蹴りなんて食らったらこんなちっちゃいのすぐ潰れ、アァーーッ!!
ブチン、とモニターの画面から光が強制的に消え、部屋に虚しくノイズが流れ出した。
「あの…分隊長?」
「モブリット…わたしが死んだらソニーとビーンをよろしく…」
「なに言ってんですか?」
あーあ。
わたしの寿命、こりゃ確実に今日で終わるな。
しかし、物凄くいいところで終わっちゃったなあ。
とても気になる。
覗きに行くか?…いや、絶対気付かれて瞬殺されるのがオチか。やめとこ。
…さて、この先になにが起きると思う?
エレンを食ってしまうのはエルヴィンか、リヴァイか、それとも3P?
どちらにしろ、美味しい展開になることには変わりないだろうね。
………やっぱ気になる。
「モブリット、ちょっと行ってくる!」
「またアンタは性懲りもなく…」
―――
「団長…今のは…?」
「気にするな。鼠を退治してやっただけのことだ」
「…はあ……」
「ほかに変なモノはなかった」
「そうか。ご苦労」
「ああ」
ハンジの盗聴器が壊されて数分、エレンの状態は悪化するばかりだった。
段々身体の自由が利かなくなってきたのだろうか、黒調のソファの上で顔をさらに紅潮させながらぐったりと横になっていた。
朦朧とした意識の中、自分の身に何が起こったのかも曖昧に、ただエルヴィンとリヴァイの会話をぼんやりと聞いていることしかできなかった。