▼企画

□解ってるつもりでも
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ずっと我慢してきたけど、俺もそろそろ限界らしい。

エレンはいつものようにリヴァイの部屋を訪れ、報告書を提出してチェックが終わるのをただ待っていた。


今日はいつも通りに起床して六人分の朝食を作り、午前中は古城の清掃に励んだ。西棟の窓と廊下は完璧なまでに汚れを駆逐。その後簡易的なティータイムで休憩を入れ、午後からはリヴァイと共に調査兵団本部へ向かった。

そう、これが重要なのだ。



「…まあいいだろう」

「ありがとうございます。ではこれで、」

「おい」


「…はい、なんでしょう」



凄みの利いた声に引き留められて、渋々振り返るとリヴァイが小さく手招きしてきた。

だめだ今日もやる気満々だ。



「…あの、俺今日はちょっと体調が」

「いいから来い」



なにを言っても無駄なようだ。抵抗するのをやめて言われるがままに整頓された事務机に近づいていく、だけではやはりダメだったようで。
少し苛立ちの色を滲ませた舌打ちを浴びせられ、おずおずと机の横を通り過ぎ足組をするリヴァイの正面に立ち止まった。



「エレンよ…今日は随分と反抗的だな」

「そんなことは…」

「ふん、まあいい」



ベッドに横になれ、と顎で合図された。
断ってこれ以上機嫌を損ねるようなことをすればそれこそ面倒くさいことになりかねない。そう悟ったエレンは背後のしわひとつないベッドの上に腰掛けた。
その行動を黙って見続けていたリヴァイが徐に腰を上げ、エレンの頬に手を擦り寄せた。

先の態度とは異なり、優しく愛撫するその手に多少なりとも身体が疼いてしまうのは、そうなるように時間をかけて身体を開発されたから。
ゆるゆると輪郭をなぞり、ふっくらと厚みのある唇へ親指を押し付け柔らかさを確かめる。



「んっ、」

「ああ…エレン……」



リヴァイの吐息を間近に感じて思わず目を閉じた。
両の頬が温もりに包まれると唇が塞がれる。そのまま後ろに押し倒され、やはり今日もリヴァイのペースに振り回される模様。
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