▼リヴァエレ
□愛に濡れた鴛鴦は空を仰ぐ
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久々にリヴァイに休日が訪れた。
昨日の帰宅したときのリヴァイの顔といったら、本当に嬉しそうな表情をしていた。その顔を思い出すだけでエレンの心もほっと温まるのだ。
最近は休日出勤だったり残業だったり泊まり込みだったりと、忙しくて家にいる時間がとても少ないリヴァイが、今日は一日中ずっと自分の傍にいてくれる。そう思うだけでエレンの心は舞い上がった。
リヴァイも同じ気持ちだったのか、昨晩はいつもより激しく、エレンの腰には朝になっても鈍い痛みが響いていた。が、それすら愛しく感じる。痺れるような余韻がエレンに幸福感を与える。
この世で最も愛している人と共に過ごせる日だなんて、これほどまでに嬉しいことといったらそうそうない。
温もりの残るシーツの上に腕で波をつくりながら愛しいその人を抱き締めようとする。
……が、
「……あれ…」
そこにあるのは彼の残り香と、微かな体温のみ。
―――いないッ!?
エレンは跳ね起きた。まだ靄がかかった寝ぼけ眼を精一杯見開き自分の隣を確認する。
確かに人一人分のスペースは残っている。ダブルベッドだからそんなことは当たり前なのだが、不自然にも純白のシーツには先程自らつくったもの以外の皺は見当たらず、思い返せばふかふかの布団も露な肩を温めるようにしっかりと首もとまでかかっていたような。
いくらでも考えようはあったはずだ。トイレに行ってるなり先に起きてるなり。だが、ややパニック状態のエレンの頭はそこまで回ってはくれなかったらしい。
「リヴァイさんっ!」