▼リヴァエレ
□愛に濡れた鴛鴦は空を仰ぐ
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ベッドから起きあがると肌を刺す寒さが一糸纏わぬエレンを襲った。秋といえども現実的に考えればもはや冬と言っても過言ではない気温の日が多くなってきているのだ。
一瞬身震いしてからブランケットを一枚身体に巻き付けて寝室を飛び出して、靴を確認するべく玄関へ向かう。
その間にリビングを通らなければならないのは、まあ、言うまでもない。
エレンはその光景に驚愕した。
「…おぉ、エレン。おはよう」
「は…りばい、さん…?」
「どうした?まだ腰が痛むか?」
リビングに置かれた真っ白なソファに座り、新聞片手にコーヒーを啜るリヴァイの姿。
黒のカーディガンの下から覗く白地のVネックにダメージもなにも入っていない至ってシンプルなジーンズ。普段着のリヴァイを久しぶりに拝んだ。
確かにピシッとスーツを纏ったリヴァイもカッコいいが、案外ラフな服装も似合っている。
エレンは肩から力を抜いた。
―――ああ、よかった。
その矢先、寒さでまた肩に力が籠もることになってしまった。流石にブランケット一枚は無理があったか。
くしゃみをして、思い出したかのように訪れた腰の痛みと安堵にその場にしゃがみ込んでしまった。溜め息を一つ零すと、肩にリヴァイが羽織っていた上着がかけられた。
目を丸くして見上げるエレンの頭をポンポンと軽く叩いて、フッと微笑んだ。
「んな格好してたらさみーだろ、服着てこい。その間に飯作っといてやるから」
肩を抱かれ促されるままに寝室へ続く廊下へ出る。
時刻は午前10時35分。