▼トレジャー2

□いつかまた、この場所で
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それから月日は回って、巨人などとは無縁の世界になっていった。なっていったと言うより、"来てしまった"と言うほうが正しいのか。


あれからどれほどの時間がたったのかなんて、想像すら出来ない。どの世界でも彼を探した。どこを探しても彼は見つからなかった。だから待つことにした。いつかまた巡り合える事を信じて。また彼と笑い会いたかった。否、俺が一方的に喋っているだけだったのだが。


再開、と言うより出会いはあっけなかった。高校の入学式の時、前の方に立っていた先生。仏頂面をした気だるそうに立っている先生。初日からそんなんでいいのか、と言ってやりたくなるほどの。非常勤の数学の教師らしく、俺らが入学する二年程前から勤務しているらしい。


今日わかったのはこれくらい。


他にも見知った顔がちらほらと居て、輪廻って本当にあるんだなあと心の底からしみじみと思った。

「エレンー!」

「よお、アルミン」


「入学おめでとう!学科は違うけどお互い頑張ろうね!」


「あぁ!当たり前だろ?アルミンも頑張れよ」


幼なじみのアルミンは同じ学校の特進科に通う手筈になっている。同じくミカサも、だ。


ミカサは最後の最後まで特進科に行くのを渋っていたが、俺の説得とミカサの両親の説得で特進科が決定したのだ。






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