アイス
□プロローグ
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――あ、あの子だ。
――あの子の両親って助けようとして行方不明らしいわよ。
――まぁ、可哀想・・・。
うるさい・・・。
毎日、毎日同じことを何度も何度も何度も言われる。
同情なんかいらない。
同情なんかあってもお母さんもお父さんも戻って来ない。
――でも、噂ではあの子は呪われていて、あの子に近づく子はみんないなくなっちゃうらしいよ。
――本当?!怖い・・・。
――イヤ、あれは呪われてるんじゃない。
――あいつは化物なんだぜ。
――化物?なにそれ?
――あいつに逆らったやつは目をなくすし、嘘ついてもすぐわかるんだとよ。
――怖〜!それ、本当に化物じゃん!!
化物化物化物化物・・・。
目をなくすって言ったって、すぐに治る。
嘘ついてもわかるのはお前らが嘘をつくから。
そう言っても誰も聞いてくれない。
そうしてあたしは一人になり、自分の殻に閉じこもった。
そしてその殻から出るのは一生ないと思ってた。
なのに・・・
「大丈夫だよ。私はあなたから離れないからね。」
「なっ、か、かわいいだと?!///う、うるさい!赤くなってなんかない!!」
「あー、やっぱり君には嘘つけないな〜。」
「大丈夫っすか?え、俺?俺はもちろん大丈夫っすよ!」
あたしの前に現れた4色の色。
そして出来た仲間たち。
『はぁ?!なんであたしが4番目なのに副隊長なのさ!!』
ある年のある夏の日、そんな日常は非日常へと変わっていった。