Abbey Road
□Help You If I Can…
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グリモールド・プレイスにあるブラック邸に、皆が集まっている時だった。
「ハリーがディメンターに襲われた!」
アーサーが血相を変えて食堂へ飛び込んできた。
「なんだって?」
シリウスとリーマスが勢い良く立ち上がり、弾みで椅子が二脚とも後ろに倒れた。
その音に吊られたようにトンクスが息を飲み、モリーは口元に手を当て震えている。
「いや、無事だ。パトローナスを出したらしい」
アーサーは宥めるようにそう言ったが、表情は険しいままだった。
部屋にいる全員がハリーの無事に安堵していたが、誰一人として事情を飲み込めていなかった。
「ディメンター?リトルウィンジングに?」
私は信じられない気持ちでそう聞いた。
ハリーは休暇をリトルウィンジングの家で過ごしているはずだ。
マグルの街にディメンターが現れる、そんな話は聞いたことがない。
「リトルウィンジングにディメンターだ。何か理由がある。ハリーが狙われたんじゃないか…そう思うよ」
アーサーがそう言うと、皆が険しい表情で頷いた。
もはやそうだとしか考えられない。