真珠の耳飾りの恋人
□恋に餌やり、甘い吐息
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ニコニコと笑う青年。
その笑顔は恍惚感に溢れ、その留まりを知らない。
彼の長い前髪から覗く大きな男らしくない可憐な瞳には昔からただ一人の人しか映っていなかった。
彼は恐らくソレに恋をし、愛していたのだろう。
叶わない事に絶望を感じず、返事がない事にも哀しみは感じない。
愛する事が総て。
彼は意図せず只、そう何時も思っていたのでした。
彼は純愛を貫いていました。
学堂では血色の感じられない死人のような彼が暖かみを抱くのは彼女を感じる時のみ。
彼は純愛を貫いていました。