dream

□それ。
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今日は久々にかいちゃんとお食事。

お互い休みが被ったからたまには外に出ようという話になって。




だけど、かいちゃんお仕事入っちゃったみたい。

すぐ済むらしいから先に私が待ち合わせ場所に。





「すぐ済むって言ってもお仕事だし、気長に待つか」




かいちゃんに近くのカフェに入っているとメールを入れた。

返信はなくて当たり前。

私とは職種がまるで違う。

かいちゃんは舞台人。

あの煌びやかな世界に生きてる人。

多少のすれ違いもあるけど謎の信頼感で結ばれてる。







カフェでまったりしていたところにメールの着信音が鳴った。

タップして確認してみると、愛しのかいちゃんから。




そこには、

もうすぐ着くね!

の文字。




きっと今頃、汗かいて走ってるんだろうなって思ったらにやけちゃって。

早く会いたいからカフェを出て外で待つことにした。







「人多いな...」




外に出たのはいいけど人混み。

背が高くないから完全に埋もれてしまっている。

キョロキョロしていると声を掛けられた。




「あの、」

「はい?」

「お暇ですか?」




背の高い男性3人組。

高すぎて見上げている首が痛い。




「すいません、人を待ってて」

「すぐ済むので少しお時間頂けませんか?」

「ごめんなさい」




多分私の顔にも無理ってかいてあると思うんだけど立ち去ってくれない。




「少しで終わりますので行きましょう」

「え、ちょ!」




しまった、腕を掴まれた。

強制連行なんて聞いてない。











抵抗してたら急に人が割り込んできた。

痛いんですけど!

顔を見る前にもわんとした熱気だけで分かった。

正しくかいちゃん。




「すいません、それ私のなんで」

「は?」

「だから、それ私のなんで」

「かいちゃん!」




救世主かいちゃん登場!

すごい睨んでる睨んでる。




「私のなんで返してください」

「あ...すみませんでした...」




かいちゃんの睨みが効いたのかすんなり離してくれた。

3人組はそそくさと去って行き人混みに消えていった。







「ほんとごめん!信号に引っかかって大幅なタイムロスが...」

「助けてくれたじゃん!謝らなくてもいいよ!」

「あー掴まれてたところが赤いー!ごめんー!」

あたふたするかいちゃん。

赤くなったところを優しく撫でてくれた。









その後はお食事して楽しい時間を過ごしました。




「かいちゃん私のことそれって言ってたね」

「いやーあの時は何が何だか」

「かいちゃんも怒るんだねー」

「そりゃあ怒るよ!腕掴まれてたんだもん」

「ありがとう、かいちゃん」

「どういたしましてー」

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