long novel
□夕闇の煌りsecond
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生徒会室。
夕暮れの、綺麗な紅が見える時間帯。
昌之と秋乃の二人だけが、その空間にいた。
「あの・・・秋乃?」
「何、昌之?」
「秋乃は・・・騙されてくれないんだね。」
「私はもう、知らない間に大切な人を失いたくないの。」
「・・・やっぱり、気づいて・・・。」
見つけてくれた。
嬉しいはずなのに、心から喜べない。
「私たちには前世のことが心に残ってる。
でもね、昌之。
私は、あなたのことが昌浩なんだと確信を得る前から、好き。」
「秋乃・・・。」
「ねぇ、昌之・・・隣に、並んで歩かせて?
昌之が辛いのも、嬉しいのも半分、私にも分けて?」
秋乃の言葉に悩んでいたことが、恥ずかしくなってくる。
秋乃は、待っていてくれたのだ。
「馬鹿だな・・・俺。」
「そんな昌之だから、守りたいと思うの。」
「秋乃・・・また俺のそばにいて?」
「えぇ。昌之。」