嫌われ魔女と魔物の少年
□こんにちは魔女さん
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走る、走る、走る。
雨の中、冷えた体が悲鳴を上げているのも無視して私は必死に走った。
後ろには私を忌み嫌う人間。
私を殺そうとしているのか、彼らの手には包丁や鎌が握られている。
私はまだ覚えたての魔法、フライを唱えた。
すると私の体はふわふわと浮かびはじめ、私の家の方へと向かう。
人間は私の姿を見失ったのかぞろぞろと、元来た所を戻り始めた。
私は魔法を解き、地面にゆっくり降り立つ。
幸い、目の前には家。
きっとお母さんが温かいシチューを作って待っている。
一歩踏み出すと、そこで意識が途切れた。