SECOND TIMES
□石田雨竜
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ルキアさんの霊力を辿って行く。
ルキアさん苦戦してるみたいだな。早く行かないと
『この先を真っ直ぐっ!』
なんだろ これ
私は足を止める
「旭さん?」
『先行って。一護がこっちに向かってる』
「……分かった」
石田さんはやはり一護と顔は合わせたくないらしい。私が言えば素直に応じてくれた。
小さくなる石田さんの背中を見つめる
それから一息………ふぅ
一護が此方に向かっているのは確か。でも、
『………私は一護を待つとは言ってないぞ』
一護と鉢合わせにならないよう気を付けて走る。私の霊力は感じないみたいだし、一護が私を視界に捉えない限り、見つけることはないだろう。
ひたすら、ある一点を目指して走る
周りを見れば虚たちもそこへ向かっている
虚が近くにいても私を襲うことはない
『霊力感知されないのに感謝だな』
っとと
知ってる霊力を感知し、止まる。
この人は…見つかったら厄介だ。遠回りになるけど仕方ないか。来た道を戻ろうと足を運ぶ
『…危ない危ない』
「何が危ないんですか?」
『!』
…まじっすか
「イヤー偶然ですね!こんなところに椎名さんが居るなんて」
『ご冗談を。さっきまで前方方向に居たはず、それも距離はそれなりにありました。なのになんで後ろに居るんですか浦原さん』
浦原さんは扇子を扇いでいる。相変わらず帽子が深いせいで表情はよく分からない。
『…私の霊力は感知されないはずですが』
「ここ、ここ」
浦原さんが指差すのは左の肩。触れてみるが特に何もない。
「そこに、探知機入れときました」
『…………はぁ!?』
「あーやっぱり。許可取るべきだったスかねぇ」
え、何勝手に人の体にチップ埋め込んでんのこの人!?許可とればいいとかそんな問題じゃないだろ!肩開けられてんじゃん私!
「まぁそう睨まないで下さいよォ、お陰でアタシは椎名さんを見つけられた訳ですし」
『私の特が一切ないんですが』
「それより、」
あ、コイツ誤魔化しやがった
「…一体何処へ行く気だったんですか?」
『……わかっているのに聞くのは卑怯ですよ』
「アハハ、ばれてましたか」
おどけた調子で言う浦原さん。ばれてましたも何も、前方方向から私の後ろに来たのがなによりも証拠だ。
そして、それは同時に浦原さんも私と同じ場所へ向かっていたことになる。
「なら、説明は必要ありませんね。椎名さんはここに居てください。アレは何とかしますから」
浦原さんの目線は虚たちが集まる中心
「それに…アナタが行った所で何もできないでしょう?」
『それはそうです。と言うか、虚をどうにかしたかった訳じゃなくて、私がここにいるのは好奇心ですよ』
「こ、好奇心?」
『はい。…?なんで少し驚いてるんですか。自分の力くらい把握してますよ』
「……」
『あのー、浦原さん?』
がし 浦原さんが私の肩を掴む、え?
「気が変わりました。アナタはそーゆー人でした。やっぱり来てください」
『はぁ?さっきまで来るなって』
「行きますよ」
シュン と二人は消えた