SECOND TIMES
□石田雨竜
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少し先に見えるのは大量の虚と戦っている一護たち
ここで見ていろと言われたはいいが、ぶっちゃけ暇。
何が起きているのか知りたかっただけなので、大量虚たちだけなら興味はない。
どうせなら戦いたいところだけど、今出ていっても直ぐに浦原さんの手で戻される。なんせこっちの居場所は浦原さんに筒抜けなのだ。
一護と石田さんはどんどん虚を倒していく。ただ、石田さんの手が血塗れなのは頂けない。まぁ一護も居るし大丈夫だろうけど。
少しして、浦原さんたちが一護たちと合流してくる。
驚いたのは雨ちゃんやジン太くんまで居たこと。
二人ともバイオレンスな武器を持っている。
見た目からしたら小学生なのに、虚を倒す姿に躊躇いはない。どうやら馴れてるようだ。強いし。
あ、テッサイさんはやっぱり強かった。
いいなぁ、私も戦いてぇ。血が騒ぐ。
ゴゴゴコゴ 凄い音が響く
見ると空に大きな亀裂
そこから白い手が出てきた。しかも半端じゃなく大きい手。
そして、鼻が異常に長い白い仮面の顔がぬっと出てくる。
次に体も出てきた……でかっ
なんだよ、あれ
虚の一種…なのかな
普通の虚はもはや可愛く見えるよ
巨大な虚はその普通の虚に舌を伸ばし、喰らう
共食いだ
流石に気になったので浦原さんの所へ向かう
一護たちはもう、巨大な虚の所へ向かっていた
『浦原さん……てあれ?ルキアさん?』
浦原さんの後ろにルキアさんが座り込んでいた。なんだか様子が可笑しい。ルキアさんも私に気づいた様だが、口をパクパクさせるだけ。
『ルキア、さん?』
「椎名さん!どーしてここにいるんスか」
『流石に好奇心に負けました。で、あのルキアさんは?』
浦原さんがルキアさんの肩に触れる
すると
「はぁっ!はぁ…く、浦原!」
「スイマセンって。いいから見ていて下さいよ」
状況はよく分からないが、ルキアさんが口をパクパクさせていたのは浦原さんのせいの様だ。
『…浦原さん。助けてくれた恩人とはいえ、ルキアさんに何かしたら許しません』
「…旭」
ルキアさんの視線を感じるが、今は浦原さんをじっと見る。
「…やだなぁ!何もしてませんって!」
…誤魔化してるのはバレバレだが、答えてくれそうもない。なら、しゃーないか…
『で…あのでかぶつはなんですか?』
聞いても答えないなら聞かない。聞かれたくないことほじくりかえしても仕方ないし。
浦原さんを見ると驚いた顔。今日私、何回驚いた顔見てんだろ…。
「……やっぱり、椎名さんは椎名さんッスね」
『当たり前のことをなに聞いてるんです』
「…あれは大虚。幾百の虚が混ざりあって生まれた、いわば巨大な虚ッス」
予想はあっていたみたいだ。
『一護は勝てるんですよね?』
「恐らく大丈夫でしょう。もしもの時はアタシがいますし」
『だってさルキアさん。とりあえず、今はあっちを見ようよ』
「……あ、あぁ…」
ルキアさんは私の言葉に曖昧にうなずいた