SECOND TIMES
□呼び声に応える
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断界の中は居心地が良いとは言えなかった
『なんか、気持ち悪いなっ』
骨っぽいのがそこら中に敷き詰められている。全体的に暗いし。
『おおっと。全速力で走んないとな』
どんどん走るスピードをあげる
少し遠くには白い光があった。多分そこが、尸魂界。
『はぁ、っくそ!』
頭がガンガンしてきた。痛ぇ、止まりたいけど、がまん。血を吐きたいけどがまん。ついたら好きなだけ吐けばいい。
そんな私にも容赦なく後ろの拘流の壁は迫ってくる。こっちは病人なんだぞコラ!といっても相手は壁だしな。ああもう!考えてる暇があるなら足を動かせ私。
『あと、少し』
光に体を突っ込む
『……青空』
目の前に飛び込んだのは澄みわたる青。どうやら断界は抜けたようだ。
だが次の瞬間
『え、と…やば』
下をみると地面が遠い。浮いていることに気づいたのは既に落ちてからだった。
『い゛』
地面に叩きつけられ叫びそうになるが、なんとか堪える。あくまでここは敵地なのだ。
『痛い…ごほっ、がっ!』
地面に赤い斑点が飛び散る。勿論私の口から出たものだ。叩きつけられた衝撃もあって、血は止まらない。
とりあえず薬をかきこみ強制的に止めた。
「こっちか!?」
『…っ……隠れたほうがいいな』
恐らく私が落ちてきたのを見たのだろう。複数の足音が近づいてくる。血を残すのはあれだったが、仕方ない。それより直ぐに探さなければ。一体どこに…
"こっちだよ"
……ああ。よく聞こえる
やっぱりここにいるんだ。
今、迎えにいくから。だから待ってて……。
紅牙……