鬼と小鬼
□似ている奴
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『副長。私そろそろ見廻りなんで』
私はおもむろに立ち上がり、副長室を後にしようとする
「あ?あぁ」
『相変わらず反応は薄い、と』
「テメ、なにメモってんだ」
『企業秘密です』
「いや、どこの企業だよ」
かるく罵りあう
『あ、書類は医務室の机の上です。適当に漁ればあるんでよろしくです』
「あー、はいはい」
それだけ言うと私は部屋を出り、副長は書類に戻った
「あ!至恩さん!車こっちです」
真選組監察の山崎が私を呼ぶ
『?あれ山崎さんも一緒でしたっけ?』
「いえ、俺は大江戸警察と連絡を取ってただけです」
『ああ、お仕事ごくろーさん』
そーいや今日は大江戸警察と一緒に見廻りだったなー、と何となく思い出す
場所に行ってみると、今どきまげを着けて袴を着ているおじさんがいた
「お前さんが真選組医療隊長の至恩さんか」
『そーですが』
「いや、思ってたより若かったんでなァ。………それじゃあいくとしよーか」
御用と書かれた提灯をぶら下げているパトカーに乗った