SECOND TIMES 番外編
□初夏の日
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【初夏の日】
空に輝く太陽はただじりじりと私の肌を焼き、目を刺す。
ここのところ毎日の日課だ。
それでも健康的な肌にならないのは、そういう体質なのか。それとも病気のせいか。
「こんなとこにおったんか」
『平子さん』
身体を起こし、相手を見る。腰下まである彼の髪は、夏の日差しにあてられ金色に光っているようだ。てか、暑くないのかな。切っちゃえばいいのに。
「うるさい猿が捜してるで」
『猿って……。ひよ里ちゃんか』
確かに先程から地上でうろうろしている霊圧がある。
『そっか。なら遊ぶか』
「遊ぶかってなァ。仕事ちゃんとせい。ひよ里と一緒にアンタの部下も捜してる」
『仕事。面白くないんだもん』
「…もんつけたって可愛くないで」
『それくらい知ってる、わざとですわざと』
横においていた刀を帯に通す。うん。やっぱりこの重みがしっくりくる。
『んじゃ』
平子さんの返事は聞かずに地上へ降りる。
「……自覚ないって…あるいみ罪やな」
平子さんの呟きは聞こえなかった。
『ひよ里ちゃん』
「しーな!!」
声をかければ駆け寄ってくるひよ里ちゃん。うん。可愛い。
「どこいってたんや!さがしたんやで!」
『ごめんね。寝てた』
「寝てたって…相変わらずやな」
『で、何して遊ぶ?』
「うーん…」
ひよ里ちゃんは頭を悩ます
と、少し前から見覚えのある面々。
「隊長ー!!」と叫んでいる。我、十番隊の可愛い部下である。
『…ひよ里ちゃん。鬼ごっこにしよう』
「?別にええけど」
『鬼は』
私はこちらに向かってくる部下を指差す。ひよ里ちゃんの口角があがった。
「決まりや!」
「隊長っ!はぁ、探したんですよ!!隊長に見てもらいたい書類がたくさんって隊長!!」
隊員たちが到着したと同時に屋根の上に移動。
『あー、君たち。今から鬼ごっこをしようと思う。私かひよ里ちゃんのどちらかを捕まえられたら、大人しく書類をしてあげよう』
「そんなっ!私たちが隊長を掴まえられるわけないじゃないですか!!」
それは向上心としてはどうかと思うが、まぁ確かに私隊長だしな。ひよ里ちゃんも副隊長な訳だし。
『じゃあ瞬歩無しで』
「そういう問題じゃ!」
部下の言葉は無視。
『あ、因みにひよ里ちゃんが捕まったら、ひよ里ちゃんも書類手伝ってねー』
「えぇ!?そんな嫌や!!」
『んじゃ……。もし、日が落ちるまで逃げ切れたらお団子でも買ってあげる。それで一緒に食べよう』
「ほんとか!?ぜったい逃げ切ってやるで!」
『よーし、じゃあ』
「ちょっ!隊長!」
『スタート』
隊員たちの声も虚しく、ひよ里と椎名はその場を去っていく。
「なんや、楽しそうやなぁ」
そこに現れたのは先程の平子
「平子隊長!!実は隊長が」
「おーおー話は聞いとった。そーやなぁ…これ俺も参加してええの?」
「え!!それは構いませんが……確かに、平子隊長が旭隊長を説得して頂けるなら…」
「なら決まりや。…瞬歩は無しやったっけな」
「あ、ありがとうございます!私たちも隊長を探しますので!」
十番隊隊員たちはそれぞれに散っていく。
「…さて。どこにいんかな」
平子は少しだけニヤリと笑い、その場を去った