碧は染まった

□それぞれの思考
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魔法都市マサドラには寄らず、港へ一直線に向かっていた。

場所は交換(トレード)ショップで聞くとやはり3000Jかかってしまうので、その分だけは周辺に出没するモンスターを倒してカードを売って稼ぐことになった。こればかりは仕方ない。ただ、街の近くに現れるモンスターはレアリティが低いのか高値で売れないのでそれなりに時間はかかってしまった。

その後、港の場所を聞き私はアントキバを出た。

アントキバから2日もあれば余裕で着く距離だが…その道中が問題だった。

街から離れればそれだけ強力なモンスターが出る。…モンスター討伐自体は少しRPGみたいで楽しいが、構ってる余裕はない。それなのにやけに気配に敏感で、絶をしていてもこちらを見破ってくるモンスターもいた。

若干の方角のズレもあり、港に着いたのはアントキバを出て3日後のことだった。




港はたくさんの人で賑わっており、市場には新鮮な魚も並んでいた。どれもみたことのないものばかりで、興味は引かれるものの今は所長を目指すしかない。

ヒソカは私がいつG.Iに入ったか知っている。けれど、あまりにも連絡が遅いと私を待たずにこっちに来てしまうかもしれない。…入れ違いは避けたい。

携帯は使えないみたいだから。……そうなると、そもそもゾルディック家からの定期連絡も出られないんだけど。そっちの方が問題だったりする。一刻も早く、事情を説明しないと。


所長の場所は港の人に聞くと快く教えてくれた。


向かった先にいたのは、がたいの良い男だった。まるまると太っており、毛が濃い。目付きも悪かった。頭には良く分からない角が2本生えている。…角は良いとして、どうにも悪人感が強い。

実際、国外へと出る方法を聞いたところ次々と要望を言われる。この秘宝を持ってこい、お金をいくら持ってこい…等。お金は到底払えないし、秘宝に関しても探している時間はない。

そう答えれば、所長は「なら、力ずくで奪ってみな」と言った。

その言葉に身構えたが、驚くほど弱かった。


[通行チケット:G.Iから出るときに必要な券。所長から金で買うか所長を倒すと入手できる。ちなみに無理難題をいくら聞いてもチケットはくれない]

……やっぱり悪人だったな。私に時間がなくてよかった。時間があったら多分聞いている。
私は息を吐いてカードをバインダーにしまった。



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