SECOND TIMES

□魂葬
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『……………は』

まず飛び起きた。

それから周りを見渡す

あれ、ここはどこだ。

見慣れない部屋。だが、私の寝ているベッドがあり、棚があり、勉強机のある普通の部屋。つまり危険はない。

昨日のことは覚えてる。
確か、自分はルキアさんに助けられ、そのまま気を失ったはず。

となると

『……ルキアさんの部屋か?』
「残念ながら一護の部屋だ」

ガチャ 扉が開くと、そこにはルキアさんが居た

「どこか痛いところはないか?」
『お陰さまで』
「その様子だと…記憶は消えていないらしいな」
『記憶?昨日のことなら、しっかりと覚えてますが…』
「やはりか」

そう呟くとルキアさんは私に近づいてくる。
そして

ボフッ 煙が舞った

ルキアさんが私の目の前で何かをだし、そして何かをしたのだ。

煙が目に染みて痛い。

『………ルキアさん?』
「ダメ、か。…故障したのかな」

そう言いルキアさんは目元の物に視線を落とす

『あのールキアさん?』
「なんだ」
『随分と学校と雰囲気が違いますね』

私の言葉に、はっ とするルキアさん

「!?っす、すみませんわ!わたくしとしたことが、さっきのことは忘れてください」
『!アハハっ、そんな無理に戻さなくてもっ』

慌てているルキアさんはなんとも面白い。

『むっしろ!…はぁ、こっちの方が話しやすくていい』
「なら、いいのだが…」 
『それでさ、ルキアさん』
「なんだ」

本日二回目のなんだを聞き、ようやく一番聞きたかったことを訪ねる

『私、なんでここに?一護の部屋って言ってたけど』
「ああ。それはだな」

ルキアさんの話はこうだった





無事、あのバケモノ((ホロウ)と言うらしい)を倒した後、たつきや織姫の記憶を先程の装置で消したらしい。
ところが、私につかったところその装置が故障したのだと。
それで、目が覚めた後混乱させないために、私をここに連れてきた。

と大まかにはこんな話だ。




『…ほうほう。それで、その装置が直ったら、私の記憶を消すんですか?』
「………ああ。今のところはそう思っている」

正確な判断だと思う。何せ昨日見たものは明らかに危険なものだ。黒崎一護は倒せたみたいだが、それは何か特別な力があるのだろう。
力を持たない一般人にとって、昨日の出来事は衝撃的であり悲劇的だ。まぁ、"一般人"にとってはだが。

「だが……少し気になることがあってな」
『気になること?』
「ああ…。お主には見えていたのだろう。虚も…死神化した黒崎一護も」

そう、私は一般人ではない。一般人の前に"幽霊が見える"がつく

「となると、お主は相当霊力(れいりょく)が高いと見ていいだろう。虚は霊力の高い者を狙う。…つまり」
『かえって、記憶を消してしまうと今度また虚に襲われたときに、なにも知らないのでは大変だと』
「…ああ。その通りだ」

ルキアさんが同意を示す

「どちらにせよ。この記憶置換(きおくちかん)が直るまでは記憶もそのままだ」

記憶を消されると分かっていて、素直に従うのもあれだが。あんなバ…虚に襲われるのも嫌だ

ん?

『でも、ルキアさん』
「?」
『私、今まで一度も襲われたことありませんよその虚ってモノに。それに、幽霊は見えてましたけど虚は見えたことありません。死神も同様』

虚が出るのは初めてじゃないみたいだし、それなら見る機会はたくさんあったはずだ。

「私もそこが不思議なのだ。"見えた"ということは霊力が高いのは確か………だが、今こうして近くにいても貴公の霊力は全く感じないのだ」
『全く?』
「ああ…。まるで、どこかに置いてきてしまったみたいな」


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