SECOND TIMES

□奪われたもの
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ガシャ ズドン ベキィ ゴッ 
ぺきッ コゴゴ バコン

『…………うるさいなぁ』

なにやら騒がしい

お陰で起きちゃったじゃねーか

不機嫌に皺を寄せながら上体を起こす

「死ねぇッ!!」
「うおァッ!?危ねぇ!!」

見たまんま言おう。

たつきが一護を襲ってた。
いや、襲ってたなんて可愛いものではない。
それはもう、言葉の通り鬼のような形相でたつきは一護を殺そうとしていた。

もう教室めちゃくちゃ。
机はぼこぼこ、窓は割れてる。

『なにこの状況』

Whatなんだけど。

「ナンだよ!ホッペにキスぐらいでそんなに取り乱すなよ!小学生かテメーは!」
「うるッさい!!」

へ?キス?たつきに?一護が?

『そりぁ、自殺行為だわなぁ』

てかあれ、本当に一護か?

「椎名〜!止めてきてよぉ!」

クラスメイトのちづるがくっついてくる。
くっつくのはいいが涙を拭くのはやめてくれ

『しゃーないか』

面白そうだし





私は席をたち、一護とたつきの間にはいる

「椎名!そこをどきなさい!」
『まぁまぁ落ち着きなさいって』

可愛い顔が台無しだ

「っは!」

一護がこちらを向いて目を見開いた

「ああっ!こんなところで姫とお会いできるとは!」
『……………は?』

行きなり近づいてきて、一護は私の手を取り膝まずく

「一護!椎名にまで手を出そうなんて」

ガラッ

「そこまでだ!!」

教室のドアが開きルキアさんが入ってきた

それを見て逃げようとする一護もどき。
なぜか私の手を掴んだまま。そのため、私も自然と引っ張られる。

おいおいおいおい、私はおいてけって

「行ったぞ一護!!」
「おう!」

ルキアさんが叫ぶと、今度は窓から死神モードの一護が出てくる。

やっぱり私の手を引くコイツは偽物のようだ。

「さァ!逃げ道はねぇ…って椎名!?」
『よ、一護』
「お前!椎名から離れろ!!」

一護は私を見るなり叫ぶ。
いやそんなに怒った顔で叫ばんでも。

それを見た一護もどきがニヤリと笑った。

「へぇ〜…椎名ちゃんって言うのか…」

すると一護もどきがこちらに振り向く

そして、私の頭の後ろに手を置く


『?一護も…ん!』

肩越しから見える一護の目が大きく見開かれた




キャー!と女子の悲鳴

それから体がふわっと浮き、気づけば一護もどきに抱き抱えられ、外にいた





唇が熱い

あぁ……私……キス、されたのか


一護もどきに


理解すると同時に顔に熱が集まるのが分かった





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