SECOND TIMES

□浦原さん宅
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浦原さんが持ってきてくれたご飯はオムライスだった。

起きてすぐ食べるものでもないと思うのだが……まぁ、うまいんで直ぐに平らげたのさ。
そのオムライスは、テッサイさんという方が作ってくれたらしい。うん、なかなかの料理の腕だ。後で礼を言いに行こう。

それで、なんだかんだで午後3時。

おやつの時間帯である。

「椎名さ〜ん?入りますよ?」

この声は浦原さん

スススー 戸が開く

『……私、良いって言いましたっけ?』
「ダメでした?」
『いや、平気スけど』

浦原さんの性格はだいたい読めてきた。といっても数分の会話だけだが…。

彼は見た目通りの変わった人だ。
自由人でありお調子者、物腰も凄く軽い。加えて何を考えてるかわかんない。…これだけだと私とあんまりかわんねぇな…

ただ

「デザートにテッサイさんがプリンくれましたよ〜?」
『おおー。うまそ、ほんとテッサイさん天才だわ』
「………」
『浦原さん?』
「あ、いえ。嬉しそうだなー、と」

まただ。
この人はなぜか悲しそうな目をする。
先程、本人に聞いた反応からして私と無関係でも無さそうだし…

気になる。けど、他人の隙間に入り込むのはいけない。
私はそんなに器用な方ではないから、他人の隙間に上手く入れない。むしろ、土足で踏み荒らしてしまう。
おかげで、"親友"なんてものは生まれてこの方出来たことがない。

……別に嫉妬じゃない。断じて。

『!ほんとに旨い…!』

ま、今はこのプリンが凄く旨いだけでいいか。

『あ、そう言えばあの垂れ目の女の子…』
「垂れ目の女の子…。(ウルル)のことッスか?」
『雨ちゃんって言うのか。いやー、かわいいなと思いまして』
「襲わないで下さいよ?」
『襲うわけないじゃないですか。流石にしません』

ウルルって変わった名前だよな。てか、浦原さんとどーゆー関係?

コンコン 戸が控えめにノックされる

「喜助さん…テッサイさんが呼んでます」

かわいい声が聞こえた。この声は…

「噂の雨でしたか」
「…うわさの?」

戸を開けると首を傾げる雨ちゃんが。うん、目の保養だわー。

「それじゃ雨。椎名さんのことお願いします。あ、逃がさないで下さいね」

と、雨ちゃんを一回撫でてから浦原さんは去っていく。いや、逃がさないで下さいねってオイ。
正直、もう家に帰りたいんだけど。浦原さんが呼ばれたとき若干、あ、家帰れるんじゃね?って思ったし。
まるでペットみたいな扱い。私は犬か!

「えと…椎名さん?」
『おうよ。私がしーなさんだ』
「しーなさん……おうよ?」
『いや、そこに深い意味はないから』

本当に悩んで首を傾げるもんだから、少し面白い

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