SECOND TIMES
□記憶の端くれ
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「椎名。おーい」
『…ぁんだようるせーな』
「…ほほーう」
ん?ふぁ あくびを一つ
『……きょ、今日も美しゅうおちせんせ』
「廊下に立ってろ」
というやり取りがあってただいま私廊下に座っています。流石に立つのは疲れる。
普通の日常 変わらない日常
昨日は虚やら虚やらでどたばたしていたが、それでも明日はやって来る
なんの変鉄もない日常
うん。つまらない。
がこれが一番幸せなことも然り
ここ何ヵ月で色んな事を覚えた気がする。そして、知らないことも増えた。
あの夢で、あの声が言った言葉は頭に木霊して離れない。
こうやって、一人になると最近ずっと考える。あの声はなんなんだろう。
そして、言葉の真意は…
「そこ、どいてくれないか」
『?おー、おはようさん。石田さ……ん』
石田さんを見て思わず固まる。なんせ両腕とも包帯グルグルだったのだ。
「……君の言いたいことは何となく分かる。この包帯のことだろう。僕だって大げさだと言ったんだ。なのに、あの医者は…」
『ハイハイハイハイ。愚痴はそれくらいにして』
止めないと止まらなそうなので、無理矢理区切りをつける。
にしても凄い包帯だ。確かに昨日見た感じ酷い怪我だったし納得だけど。
あ、眼鏡変えたんだ。割れたのかな。
「…で、旭さんはこんなところで何をしてるんだ?今は授業中だろう」
『麗しのおちてんてーに追放されたのだー』
「………また寝てたのか」
『またとは失礼な。今日は現国しか寝てない』
「寝るのがまずダメなんだ」
まぁその通りだ。
さてと… 私は立ち上がる。
「どこ行くの」
『屋上』
「はぁ?」
『早く教室入りなよー』
「ちょ!」
石田さんの制止は聞かず、一直線で屋上へ向かった