SECOND TIMES

□記憶の端くれ
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んんー!!

『やっぱ屋上はサイコーねぇ』

何より風が気持ちいいし、お日様がよく当たる。

今時日向ぼっこをする人が居るのかはわからないが、日向ぼっこって最高だと思うんだよね。
夏は焼けるし暑いけど、こーゆーぽかぽかした日はおひさんがとても気持ちがいいのさ。

それにこうやって空を見上げてみると何となくすっきりする。頭上を鳥が通るときはひやひやだけど、雲の流とか見ていて気持ちがいい。

そうして暫く横になっていると。

『っ、ゴホ』

??なんかむせた。なんだろ、急に凄く気分が悪い。熱中症?いやいやさっき自分でお日様ぽかぽかって言ったから違う。じゃ、なんだ?

『ゴホっ!ゴホ!』

思わず手で口を覆う

すると段々脈が落ち着いてくる。
深呼吸深呼吸……すーはー、すーはー。

ふぅ……ひとまず落ち着いた。
イヤーなんなんだよ。まったく。焦ったぁ

そして手のひらを見た


……………ぇ


息が止まった


心臓がうるさい

『…………血?』

そう、手のひらには少量の赤い血が

『なんで?』

そんなの知るわけがない。

病気?いや、でもそんな兆候なかった。でも咳一つで普通血は出ない。

ガチャ

『!』

こんなときに誰かが屋上に入ってきた。誰だよったく!
幸い私の位置は死角で見えない。

「屋上は気持ちいいな!」
浅野さんの声だ。てことは一護たちも居るだろう。
見つかる前にハンカチで手のひらを拭き取る。口元も一応拭き取る。

白のハンカチじゃなくてよかったー。

「あ、いた」
『…よう、一護。なんで私の場所が?』

一護が指差したのは石田さん

ああ、なるほど彼は私が屋上に居るって知ってるのか。

と一護の視線が石田さんに向いてる内にポケットにささっとハンカチを戻す。

………………ふぅ

「?どーしたため息なんかついて」
『いやぁ人生とは長いなーと』
「お前いくつだよ」

一護に笑われた。どうやらバレていないようだ。

『アレ?もうお昼?』

いつのまに時間がたっていたのか

「ああ。椎名も食うか?」
『あーんー、奢ってくれるなら』
「ケイゴ!追加だ椎名も頼む」
「ええぇえええ!!?」

反応からして、ここにいる人の分全て浅野さんが奢ったのだろう

『よろしくです浅野さん』
「旭さんがそうおっしゃるなら喜んで♥!」

笑顔で頼めば素直に聞いてくれた

『?どーした一護』
「…いーや。それよりこっちこいよ」
『あ、うん』

一護が隣をぽんぽんと叩くので、そこに座る

「?旭さん。なんか手、赤くない?」

ビクリ と体を揺らす。いきなり爆弾発言しないでくれ水色くん。君、意外と鋭いのね。
多分ハンカチで擦ったから手が全体的に赤く染まったんだろう。ああ、手ぇ洗いたい。

『あ、あー。さっき頭の後ろに手置いて寝てたから痕ついたのかも』
「へぇ、そーなんだ」
『あ、ちょっとお手洗いいってくる』
「あ、うん」

屋上の扉を汚れていない左手で開ける

「あれ、旭さん?」

丁度浅野さんが階段を登ってきているところだった

『あ、ちょっとお手洗い。先食べてて下さい』

タタタ と階段を下りていく

「?どうしたんだろうあんなに急いで」


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