SECOND TIMES
□夢覚め
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私が四番隊に居座ってからちゃんと二日が経った。
いやさ、四番隊の皆さんに感謝ッスよ。治療する度に全然体が違うんですもの。頭痛はないわ目眩もないわ…。勿論気持ち悪さもない。今なら腕立て30は出来るね。やらないけど
まぁとにかく、ちゃんと卯ノ花さんとの約束の二日が経ったので紅牙の場所を聞きたいのだが
『居ないんですが……』
卯ノ花さんはどこにもいない。
それに、さっきから大きな霊圧が一ヶ所に集まっている。そのなかに卯ノ花さんが居るなら助かるが…居ないな。
その代わり知ってる霊圧もそこへ向かっているよう。
『さて…どーしようか』
場所わかんないんじゃなぁ…紅牙もさっきから黙ってて呼んでくれないし。
誰かに聞くか。他力本願で行こう。
『あー、そこの君』
「え?………ぼ、僕?」
『そうそう、いかにも冴えないキミ』
「初対面でそんな言い方…」
私が手招きするとそいつはこちらに来る
「ええっと…何の用でしょうか」
『刀知らない?』
「へ?刀ってあなたのですか?」
首をかしげる冴えない四番隊隊員
『そ。卯ノ花さんがどっかに保管してるはずなんだけど…知らんかね』
「隊長がですか…うーん。分からないですねぇ」
『そーか。なら君は用済みだ、もう行きたまえ』
「よ、用済み!?」
冴えない四番(以下略)が去る前に自分からその場を後にする
「ちょっ!、待って下さい」
が、着いてきた
「いたっ!」
待ってと言われたので止まってみれば、私の背中で鼻を打つ冴えない四番隊員。大丈夫なのかこの隊員。ドジっ子路線なのかキミは。
『…で、何』
「あなたってどこの隊の方ですか」
『隊………』
ここは嘘をついたほうがいいのだろうか。でも隊毎になんか特色があったら即バレる。
「……やっぱりあなた、旅禍の方ですか」
あーやば。バレた。誤魔化す前にバレた。ここは全力疾走するべきか…今の私なら血を吐かずにいける。そうと決まれば
『………よし!』
「待って下さい!」
『っととと…』
腕を捕まれ、走ることが出来なくなる。あれ?これ私捕まった?
「ならあなたもルキアさんを助けに来てくれたんですよね!?」
その言葉に目を丸くする。えーと、ルキアさんは尸魂界に連れていかれたんだよね。ならこの四番隊隊員はルキアさんを捕まえる側…つまり一護たちの敵のはず。
『どうしてそんなことを聞く?』
「…僕、ルキアさんが処刑されるなんて…そんなこと絶対にさせたくないんです!」
また私は目を丸くする。処刑?力の譲渡は大罪って言ってたけど…処刑されるほどまでの罪、なのか。
「今……ルキアさんの処刑が双極の丘で始まろうとしています…。あなたは……一護さんたちの仲間じゃないんですか…?」
今から処刑…。それで大きな霊圧が一ヶ所に集まってるのか。てことは…双極の丘というものの場所も分かった。
「あの」
『私は確かに一護の知り合いだし多分友達』
「じゃあルキアさんを助けるのに力を貸してくれるんですね!」
『あー……。勿論ルキアさんが処刑なのは頂けない。ただ、それだけじゃないんだ私が来たのは』
「それだけじゃ、ない?」
『ええ、そう……って話してる暇無いんだって。キミ、刀の場所知らんのでしょ?ならほんとに用ないから。ルキアさんのことは分かった。それは礼を言う』
「え!あ!」
今度こそこの場を後にする。…追っては来ないようだ。
はぁ……思わぬところで時間を食ってしまった。
刀探さなきゃ