SECOND TIMES
□夢覚め
2ページ/3ページ
結局四番隊隊舎のありとあらゆる場所を探してみたが、見つからない。
ほんとどこだよ。さっきから周りの霊圧の動きも活発だし…。四番隊の人の出入りも活発だし…。
とりあえず一旦戻るか。あ、薬飲まなきゃ。
私は元の病室に戻った
ベッドに腰をかけ、一息つく。それから薬を飲む。あー、不味い。一気に水で押し込んだ。ふぅ……。
頭を下にする、自然と足元に目がいった。
……ん?
あれ、床板がなんか妙だ。一枚だけ木の線が違う。こうまじまじと床を見ることなんかないからわからなかったけど。
…………もしかして。
その床板を剥ぎ取る。
バキッ あ、折れた。まいっか。
すると中に空洞。奥には黒い刀。私の探していた刀。
『最初からここにあんじゃーん』
はぁ………私の苦労が……。
刀を取り出す。
"主…早く"
やっと喋るようになったか。
"早く!"
『はいはい。分かってますって』
そんな急がんでもいいのに。
刀を腰に掛ける。それからどうするのか。それは以前、夢で教えてくれた。
『……いくよ』
刀を鞘から抜き、刃先を自身の心臓に向ける。そして
ズブ と深く深く差し込む。
痛みはない。血も辺りに飛び散らない。
「…な、何してるんですか!!」
あ、先程の冴えない四番隊隊員。追ってきたのか。などと考えてる暇はもはやない。頭に大量の情報が流れ出す。
「や、やめてください!!刀から手を離してっ!?」
『……………。…ぁあ……そうか』
椎名は暫くして刀を胸から引き抜き、鞘に戻す。傷口はみるみる塞がっていった。しかし、四番隊隊員…山田花太郎が驚いたのはそこではない。
「…死覇装……!?それにその、羽織は…」
椎名は少しだけ花太郎に目を向ける。が、直ぐに元に戻る。
「あなたは一体!!」
『……時間がないな』
「え」
『くそ、もっと早く…っ』
「あの、」
『あぁ…分かってる。頼むぞ』
「待っ!」
椎名はその場で消えてしまう。
「今のは…瞬歩……」
それも、僕なんかじゃ目に追えない程の……
花太郎は暫く、呆然と立つしかなかった