SECOND TIMES

□Think of tomorrow.
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チュン チュン と鳥の囀りが聞こえた気がして目が覚める。
窓際を見るが鳥なんておらず、直ぐに空耳とだと理解。

ただ、朝の様なので起き上がる。起き上が………れなかった。

「………」
『……なんで居るんだ』

胸の上には黒猫が。

ぎゅ

「ふぎゃあ!?な、なな何ごとじゃ!!」
『おーおーいい反応』

掴んだ尻尾を離す。やっぱ猫の尻尾を掴むのは効果的だったようだ。黒猫、夜一さんはこちらを睨んでいる。若干目が潤んでいるのは気のせいと思いたい。

「いきなりなにするんじゃ椎名!どんな起こしかたじゃ!」
『気持ち良さそうだったのでつい、あと好奇心?』
「それがここまで運んできてやった者への礼儀か!!」
『運んだ…?そーいやここ』

私は今ベッドに寝ている。記憶が正しければ、双極(そうきょく)の丘で寝たはず。どうやら夜一さんが運んでくれたみたい。

『あー、ありがとうございます』
「…言い方が気に入らんが、まぁいいだろう。それより、調子はどうじゃ…?」
『良いですよ』

紅牙が私の寝ている間に色々調節してくれたのだろう。

「そうか、ならよかった。それと……戻ったんじゃな」

戻ったというのは恐らく記憶のことだろう。

『はい。夜一隊長』
「夜一でよい。それに…想像はついてるじゃろうが、儂はもう隊長ではない」

夜一さんは私の上から降り、背伸びをしている。それを真似して私も背伸び。おお、背中が伸びる。

「皆、おぬしを心配しておったぞ」
『そうですか、それは悪いことをしたようで』
「なんせ、一週間も寝ていたんじゃからな」
『………………………………は?』

え?ワンモアプリーズ?いっしゅうかん?へ?一週間!?

「その様子じゃ、分かってなかったようじゃの」
『分かってるもなにも……え?マジ一週間?』
「マジも大マジじゃ」

そりぁ、体も良くなるわ…。……一週間寝てたとなるとお腹空いてきたな……。てか、一護たちまだいんの?

「一護なら十一番隊じゃろう。最近はそこにいる」
『…エスパー?』
「声にでてるだけだ」
『ほんとっすか』

気づかなかったぜ。今度から気を付けよう。

とりあえず、ベッドを降りる。備え付けの机には私の死覇装と隊長羽織。

死覇装に着替えるのはいいが、羽織はどうしよう。

「着ないのか?」
『新しい隊長が居るはずですからね…。捨てるか』

でもどこに捨てればいいのか分からないので、手で持つ。うん、荷物。

『さてと、まずは腹ごしらえかな。夜一さんは?』
「椎名が起きたことだし、帰るまでフラフラするかのぅ」
『帰るまで……今日現世に帰るんですか?』
「そのつもりじゃ。……おぬしは、どうする?」

どうする、か。
私は元々こちらの者。でも、尸魂界から言えば私は故人。居場所はない。

『…んー、総隊長のところ行ってみるか』
「…もし、儂らと帰るようなら穿界門(せんかいもん)で待っておるぞ」
『はい』

夜一さんは窓から出ていく。それを見届けてから、私も歩き出す。向かう場所は

『食堂だな』

今日も空は絶えず青い



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