SECOND TIMES

□Think of tomorrow.
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食堂に行こうと意気込んで早、10分。

あっはっはー。

『迷子だぜ』

結構設備が変わっており、以前の食堂の場所は今では物置。

場所変わんなし、それか案内板作れよ。

悪態をついても腹は減るばかり。くそが。こーなったら知ってる霊圧探して聞くか?いや、めんどくさい。探すのはいいが、行くのがめんどくさい。
立て札くらい作っとけよ。"食堂はこちら"みたいなさ。

「何をしている」
『設計に愚痴をこぼして……って?』

見ると銀髪の少年。しかも白色の羽織を着ている。つまりは隊長。今はこんな少年でも隊長なのか…。私でさえ最年少だったのに。

「で、何してんだ…見ない顔だな」
『あー、食堂探してまして』
「は?なんで場所知らな……ああ、お前黒崎一護の仲間か」
『理解が早くて助かります』

だてに若くて隊長やっている訳ではないようで。

「そーだな………」

何やら考えているみたい。と思ったら歩き出す。

「こっちだ」
『あれ、案内してくれるんです?』
「まぁな。…ついでだ」

なんのついでかはさておき、道案内はありがたい。銀髪少年は私に背を向ける。背中を見て、思わず立ち止まる。
ああ……

「?どうかしたか」
『…そっか、君が』

銀髪少年の羽織には"十"の文字。
…十番隊は最年少が引き継ぐようになってんのかね。

「そーいや、それ誰のだ?」

銀髪少年が指すのは私が手に持つ羽織。

『私のさ』
「はぁ?」
『それより。早く食堂へ行こうじゃないか少年』
「ちょっ、おい!場所そっちじゃねぇ!」

少年の"十"は私よりとても似合っていた。












「………よくそんな食えるな」
『ふぇ?そーすかねえもぐ、いやぁ実はもぐ一週間ほどねてもぐまして』
「飲み飲んでから話せ」

水を飲み、食べ物を喉に通らせる。ぷはー、生き返るわー。

食堂についた私は片っ端から食べ物を注文。現在に至る。

『ふぅ………というか、えーと、日番谷冬獅郎くん?はここにいていいのか?道案内はついでだろ?』

今度は大人しく親子丼を食べる。あぁ美味しい。玉子がジューシー。

「日番谷でいい。…で、ほんとのところその羽織は誰のなんだ」
『だから自分のですって』
「そんな訳あるか」

そう言うのはごもっともですが、私だって嘘はついてない。でも見せたら…ややこしくなりそうだし。

「……まさか、藍」
『あーそれはない。絶対ない。断じてない』

死んでも手に持つか

『で、君こそ私の質問無視したけど、用事があったんじゃないのか?』
「……問題ない」

と言うわりには問題なくなさそう。なんとも苦い表情だ。

『…私も、このあと行かなきゃならないところがあるのさ』
「どこだ?」
『元柳斎さんのところ』
「元…!総隊長!?」

いい驚きっぷりだぜ少年。

『さてと、ごちそーさん』

一通り食べ終わったので席を立つ。

『お金は……後で返すんで多分』
「おい、まだ話は!」
『え?返さなくてもいい?きゃーありがとう、とーしろー』
「言ってねぇ!!それと呼び捨てにすんな!!」
『じゃねー』
「っ!待て!」

掴まりそうだったので瞬歩で逃げる。







「瞬歩……か」

それも、かなり速い。

日番谷は立ち上がりかけた腰をもう一度、椅子へ戻す。

「……てか、置いてってんじゃねぇか」

彼女が座っていた席には置きっぱなしの羽織。隠してた意味ねぇだろ……。
ここに置いておく訳にもいかないので、持つ。と称して羽織を見る。

自分とは違う、袖ありタイプの羽織。少しだけ生地が違う。それから肝心の背中を見る。

「っ!……。どういうことだ…」


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