SECOND TIMES

□実行することは大切である
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タイトルにあるように、何かをしようとするとき、それは口だけにはなってはならない。

宿題やったの?後でやる!といってやらないように。

今まではそうだったが、流石にそうもいかない。
というわけでだ。

『いってきます』
「お気を付けて〜」

喜助さんに見送られ、浦原商店を後にする。

それから、走る。そうランニングである。

以前、筋トレやらなきゃなぁ…的なことを己は言ってた気がするので、真面目に筋トレをすることにした。
やはり霊圧だけあってもそれを使える体力がなけりゃ仕方がない。

因みに斬魄刀は竹刀の袋に入れ、カモフラージュ。今の格好はジャージだし、部活動の生徒にでも見られるだろう。間違っても、銃刀法違反で捕まるなんてことにはなりたくない。

『……いい天気やなぁ』
"そうだな"

……………いきなり喋るなよ紅牙。

『斬魄刀でも、天気とかわかんの?』
"まぁな。といっても直接刀に目がついてるわけじゃないけど"
『ついてたら怖いわ』

一人で喋っているので、当然通行人に変な目で見られる。……てか思ってみれば、今普通の学生は学校じゃん。部活動の格好装った意味ねー。かえって、

"不良にでも見られているのかもな"
『勝手に心読むなし』
"伝わるんだからしかたないだろ。俺だって好き好んで読んだりしない、ましてや主の心情なんて"

紅牙が私の血を"喰らって"いる以上、私たちは一心同体。細かくはないが、思っていることは大体筒抜け。

けっ、悪口もいえねーや

"ん?"
『お?』

…ォォォオオ!

"虚だな"
『虚だね』

遠くに感じる虚の霊圧。自分が倒しに行くのもいいが…。

『あ、おーい』
「椎名!」

寄ってくる、死神化している一護。手にはドクロがかかれた五角形の板がある。確か、浮竹隊長から貰ったものだっけ。

ホロ"ーウ ホロ"ーウ

スゲー鳴いてんだけど。

『それ、虚の出現を知らせてくれるんだ』
「ああ」
『便利だねぇ。んじゃ一護、虚退治いってらー』
「お前は行かねーのかよ」
『君一人で充分でしょ』
「そうだけど………ここで待ってろ」
『は?』

一護は凄い速さで去っていく。いや、待ってろって……なぜに。

よく分からないが、待ってろと言われたら仕方ない。ただ、道端で待つ訳にも行かないだろう。…丁度近くに公園があったっけな。

そこで待ってるか。

公園へ向かう








 




「お前…何やってんだ?」
『みれば、分かるだろっ。はぁ…腕立てだよ腕立て』
「いやそうじゃなくて、何で腕立てしてんだよ」

暫くして一護たちが来た。なぜか織姫と茶渡さんも一緒。大方、虚退治についてきた感じだろうか。

「椎名ちゃん!」
『はぁ、もう、ダメだー…』

バタンと、地面とこんにちは。
大丈夫?と織姫が寄ってくる。ああ、君は天使か。

『てか、君たち完全に不良だな』
「椎名に言われたくねぇな」
『で、一護。話って?』

待ってろと言われたんだ。聞きたいことがあったんだろう。

「……今日、学校に行ったら"旭椎名"という存在が消えてた。…誰も、たつきもお前を覚えてなかった。ルキアんときみたいに…」

やっぱり消えてたか。確かめる必要もなさそうだ。

『それなんだけど…どーやら私が尸魂界に行くと同時に、現世から私という存在が消えるようになってたみたいで。だから高校どーしよっかなぁと悩み中』

うつ伏せから仰向けにごろんと代わる。織姫の顔が目の前にある。

「私…椎名ちゃんの居ないクラスは寂しいよ」

織姫の悲し気な顔

「また通えばいーじゃねーか」
「そうだよ!あ、今日ね転入生が来たんだ。だから椎名ちゃんも…ね」

織姫が私を覗く。やはり、その行為で思い出すのはいつかの夢。

「椎名ちゃん?」
『あ……悪い』

自然と手が織姫の頬に触れていた。直ぐに手を離す。

『うーん、そだなぁ…。手続きは喜助さんにお願いすれば大丈夫だろうし』

あの人なら楽勝だろう。ルキアさんの時もやっただろうし。

「…ま、直ぐに戻ってこいとは言わねーけど。お前、学校来なくなったらどこに居んのかわかんねぇし…」
『今は喜助さんとこに居候中』
「はぁ?なんでまた浦原さんのところに」
『さっき言ったでしょーよ。現世に私という存在はない。だから、アパートも空き家になってたんだよ…昨日は勝手に水道借りたけど、大家さんに会うわけにはいかないし』

金を払わされるならまだしも、空き巣として警察に出されるのは勘弁。


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