SECOND TIMES

□流れの中で
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「「ようこそいらっしゃいました旭さん!!」」
『……なにこのお出迎え』

織姫の家に少ない荷物を置いた後、私はもう一度尸魂界に来ていた。

浮竹隊長に話をするため。それから京楽隊長にお菓子をもらうため。

とりあえず浮竹隊長と話をしようと、十三番隊の扉を開けたはいいが。

「旭さん!!貴女が来られるのをずっとお待ちしておりました!!!」
「なっ!!ずるいぞ小椿!!旭さん!!自分もずっとずーっと心待ちにしておりました!!」
「あァン!?俺様の方がずっとずっとずーっと心待ちにしてたに決まってんだろーが!!この猿女ァ!!」
「なんですって!!?」

なんだ、これ。喧嘩…なのか?喧嘩だよな多分。なんか、お笑いみたいなノリだけど。

そう、扉を開けると中には二人。一人は短髪の女性で、もう一人はおみこしでも担いでそうな男性。額にハチマキの痕でもついてそうだ。
二人とも浮竹隊長の部下、だよな。その二人は言い合い、いがみ合っている。

「俺様の方が隊長を尊敬している!!」
「私に決まってるでしょ!!」

止めた方がいいのか。…あ、いや。なんか面白そうだし、何分続くか数えてみるか。
なんて思っていると

「そこらへんにしたらどうだい」
「「!!隊長っ!」」

浮竹隊長が出てきた。いがみ合っていた二人は即座にピシッとなっている。おお、good反射神経。

『どーもです浮竹隊長』
「よく来たね。さ、入って」

二人とは別れ、浮竹隊長の後に続く

『えっと…さっきの二人は』
「うちの三席だよ。騒がしくてすまないね」
『いえいえ。見てて面白かったのでお気になさらず』
「あいかわらずだな君は…」

浮竹隊長が笑う。こちらこそ元気そうで何よりだ。病気は少しは良くなってるのかな。

「さ、座ってくれ」

案内されたのは客間。座布団に遠慮なく掛けさせてもらう。

『それで、何から話しましょうか』

出されたお茶を飲む。あ、これ美味しい。後で茶葉教えてもらおう。
浮竹隊長が真剣な表情になる。

「それじゃ………単刀直入に聞くけど、藍染たちのことは知っていたようだね」
『はい』
「……百年前から?」
『え、とですね。…百年前、私が隊長だったころは何となく。確信に変わったのはあの日、ですかね』

あの日、と言えば伝わったようだ。浮竹隊長の顔が歪む。

「…君は藍染に、殺されたのかい」
『……恥ずかしながら。隙をつかれて』

自分で言っていて、やるせなくなる。拳に力が入るのが分かった。

「そうか………その、すまなかった」
『謝らないでください。浮竹隊長のせいではありませんから』

また、お茶に口をつける。

「それと…椎名ちゃんも病気だったんだな」
『隠してた訳じゃないんですが…浮竹隊長ほど酷くはなかったので。
隊長はどうですか最近の体調』
「とても良いよ。発作もあまりない」

それは何よりだ。と嬉しそうな浮竹隊長に言う。

……でだ。

『……いつまで盗み聞きしてるんですか』
「…そうだな」

浮竹隊長も気づいていたよう。すると案外素直に戸が開いた。

そこに立っているのは、ついこないだ見た銀髪の少年 日番谷冬獅郎。

「浮竹隊長、すみません…」
「いいやかまわないよ。日番谷隊長も椎名ちゃんに用があったんだろう?」

ま、大方予想はついている

『浮竹隊長、話はこれくらいでいいですか?』
「そうだなぁ…気になるところはまだあるけど、大体は分かったよ」
『では、また』
「ああ」

浮竹隊長に見送られ、十三番隊を後にした


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