SECOND TIMES
□破面そして金色
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『ふぁ…』
あくびをひとつし、ついでに背伸びもひとつ
今何時だ……ワーオ。昼の12時
当然ながら隣に寝ていた織姫は居ない。学校に行ったのだろう。
体を起こすと窓からの光が直に当り、目が痛い。から、布団に戻った。
『あーぬくぬくやわぁ…』
と、やること3時間。
流石に起きた。
本当なら今日から学校に行こうと思っていたのだが……。まぁ、いっか、明日にしよう。
机の上には置き手紙。
『“椎名ちゃんへ。
先に学校行くね!朝御飯は冷蔵庫のなかです。ちゃんと食べてから来てねー!”…』
最後には織姫の似顔絵らしきものも書いてある。
…時計を見るが、今は15:10。うん。学校はやっぱり明日だ。
まずは朝食朝食…と手を伸ばす。
すると、ひらひらと壁をすり抜けてやってくるのは地獄蝶。
独特な色をしているので私ので間違いない。
『今から朝食だってのに…いや、時間的にはおかしいけどさ』
ほっとく訳にもいかないので指先に止まらせる
『………破面』
また来るのか。
『…まだ時間あるし、食べながら行こう』
『ここらへん、かな』
広場のような場所につくと、人がいた。
それぞれ、運動したり本を読んだり好きに過ごしているようだ。
ん?柔道着が目にはいる。あれは…
『たつき?』
「え?」
私が呼ぶと本人は驚いたようにこちらを向く
「えっと、」
『部活?ランニングか、大変ねー』
「あの、誰ですか?…」
たつきは警戒するように眉を潜める。
『何言っ…!あーそうだった。記憶ねーんだった』
実感無さすぎて忘れてたわ
「記憶?」
『なんでもない。いやーこないだ柔道部の名前に乗ってたからさ。うん、なんとなく?』
と適当に理由をつけてその場を去る。
ほんとに誰も覚えてないのな。理解はしてたけど実際やられると、こう、ね。
と思考していると何かが近づく感覚
来たか…
ドン
厚みのある霊圧が落ちてきた。
土煙が辺りを覆い尽くす。
回りの人は叫び、逃げていったり、はたまた興味本意で近づいたり。
…ここは人が多いな。もっと早く来て避難させれば良かったかな。と今さら後悔。
「ぶはァ〜!面付いてた頃に何度か来たが、相変わらず現世はつまんねえ処だなァオイ!霊子がウスすぎて息しづれえしよォ!」
…何かうるさいのが落ちてきたな。
土煙が収まっても姿は見えない。落ちてきた場所がえぐれて、穴になっている様だ。
「…何だ…?」
「隕石か…?」
「なんもねーぞ?」
「じゃあ、何が落ちたんだよ…!?」
「近付いて大丈夫なのか…?」
『いや、近付いちゃダメですよー』
「え?」
『あれには未知のウイルスがたくさんあるんで、早く逃げた方がいいですよ。感染しますよー?』
「な、なんだって!?」
「に逃げろォ!」
…一先ずこれで大丈夫か。ウイルスで信じるとは思わなかったけど。
人々は散り散りに走っていく。
「…てめえ誰だ?」
いつのまにか一人の破面が穴から上がってきていた。白い服に身を包み、胸には大きな穴。そして顎に”破面“がついている。
もう一人は…まだ穴の中か。
『まずは聞いた奴が名乗るのが礼儀でしょ』
「はぁ!?俺に指図すんじゃねえ!吸うぞコラ」
『吸うなよ』
「!っ」
破面の首に紅牙を向ける
『でだ。ワッツユアーネーム?』
「…誰が名乗るかよ!!」
ブン
『うおっとと』
払い除けられた腕を避ける。図体でかいのにスピードがある。当たったら痛いな。
「ッチ!おい!ウルキオラ!!こいつが殺す奴かァ!?まぁどっちにしても…オレを怒らせた以上、殺すけどなァ!!」
『だからいきなりあぶな』
短気か。もう少し冷静になれよ、後ろのもう一人の破面みたいに。
振り上げられた足を避ける
…いや、まて
振り上げられた足によって石が一つ飛んでいく。座り込むたつきに向かって。
なんで居るんだよ。逃げてなかったのか!
『っ!』
たかが石ころだが、破面が蹴ったとなれば話は別。顔面に綺麗に穴が空く。
「何!?」
『たつ』