碧に染まって IF

□リトル
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▽ちっさくなった彼女と大人のクロ・ヒソ・イルが絡む話。

クロロが全体的にちょっと変態。※格好いいクロロさんはおそらく居ません。


____




もそもそ、と肌に布が擦れる感覚が心地よく寝返りを打つ。その際にぼんやりと目を開けると小さな手が見えた。

小さな手。幼い…手?

思考がはっきりしないままその真っ白で決め細やかな肌に触れたらどんなに気持ちいいだろう、と手を伸ばす。

『…………?』

しかし動いたのは目の前の幼い手だった。今度こそ、と手を伸ばすが伸びたのは目の前の幼い手。

……………あ、れ…。

なんだか普通とは異なる事態が起きている感覚に焦りが出てくる。手を動かしてみる、幼い手が動いた。グー、幼い手はグーを形作った。チョキ、幼い手はハサミの形になった。

そこまで確認して嫌な予感は確信に変わる。

ばっと上体を起こし、体をペタペタと触る。…少しふっくらしてる。それなのに胸はぺったんこだった。

ベッドから降りる。いつもとは明らかに高い距離感に顔をひきつらせた。…降りると明らかに低い。視点が。

いや、でも見てみなければ分からない。足早に洗面台へ駆ける。パタパタとサイズのあっていないルームシューズを履いた私の足音。洗面台へ到着し、やはり高い為、椅子を持ってきてよじ登る。

『………………なんてこった』

鏡には幼い私が頭を抱えていた。







__________






幼くなってしまった私。推定年齢は三歳くらいだろうか。一番可愛い時期である。いやそんなことはどうでもいい。

昨日私なにかしたか…?と寝る前の行動を必死に思い起こすが生憎と思い当たる節がない。昨日はヒソカとここでのんびりして、私が眠くなってしまったためそのまま解散した。ヒソカと会う前は図書館でクロロにオススメの本を聞いて、その前にゾルディック家でイルミと仕事の話をして…………。

で、眼が覚めたら体が縮んでしまっていたと。…うーん、コナンくん。

『………病院……?…この場合整形外科か、それとも精神科か…』

私の頭が可笑しくなっている可能性も0じゃない。

いや、でも精神科へ行って。実は急に幼くなってしまって……と言ったところで根本的解決にはならない。普通に入院を進められそうだ。整形外科も同様。

私はソファーに座り息を吐く。ソファーに座った私の足は地面につかない。その現実にまた息を吐いた。

…本当に、起きたら小さくなってるとか勘弁してくれ。知らない場所ならまだしも。このまま長い間幼いまま過ごすのか?それは困る。子供…それも三歳児というのは自由が少ない。…幼くなってしまったのだから、大人にも戻れる筈だ…と思う。多分、確証はないけれど。なにせ小さくなってしまったのも私の意識外なのだから。

…とりあえず原因を究明しないとどうしようもない。起きたらこうなってしまったのだから、原因があるとすれば昨日。順当に考えればだが。

なら、昨日私と会った三人に聞いた方が手っ取り早いかもしれない。……その方が私の頭が可笑しいかどうかもわかる。一石二鳥だ。使い方があっているかはこの際気にしない。

『………さて、まず誰にかけるべきか』

私は普段より大きく見える携帯を手に頭を悩ました。



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