愛する世界に変革を

□ネテロさん
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ネテロさんの説得により、二次試験のやり直しが実行された。

ルールはマフタツ山の崖から飛び降り、クモワシの卵を取ること。

ゴン、キルア、レオリオ、クラピカを先頭に受験者たちが谷へと飛び降りていく。

『メンチさん。私は合格で良いんですよね』
「ええ!まぁ、やりたいならやっても良いけど」
『まさか』

私がどうしてもスシで合格したかったのは、このクモワシの卵取りが嫌だったからだ。

だってさ、尋常じゃなく高いのだ。
高層ビルなんてもんじゃない。例えるならスカイツリーから飛び降りる気分だ。
高いところは苦手じゃないが、高いのレベルが違う。


「シーナ!」

呆然と様を見ているとゴンに呼ばれたのでそちらへ寄る。

「はい」

渡されたのはクモワシの卵。
?ゴンの意図が分からず首を傾げる。

「シーナの分も取ってきたんだ。一緒に食べようよ!」

その言葉に目を見開く。
この子は…まったく!

『…………な』
「…な?」
『なんて良い子なんだ!!』
「っわ!」

流石にこのゴンの行動には自分の衝動も抑えきれなかった。

ゴンを力一杯抱き締める。…はぁ、なんだか欲が満たされた感…。

「ちょ、く、苦しいよ!」
『あ、ごめん』
「いやごめんって思うなら離してやれよ!」

キルアに頭を叩かれしぶしぶ離れる。

……はぁ、満足。
鼻血は…出ていない。よかった。

『…ありがとうゴン』
「う、ううん!」

ゴンの顔は少し赤くなっており、流石に抱き締めすぎたか…と反省。

「シーナ!ゴン!早く食おうぜ」

キルアの催促によりクモワシのゆで卵にかぶりつく。

『っ!うま!』
「ほんとだ!」
「これ、ほんとに卵かよ!」

クモワシの卵は凄く旨かった。それはもう舌の上で踊りまくっている有り様である。


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