愛する世界に変革を
□罰ゲーム
1ページ/4ページ
私は今そわそわしていた。
というのも、試験が終了するまで残り5分を切ったのだ。
ゴンたちがギリギリで間に合うことは分かっているのだが、どうも落ち着かない。
まだ人が出てきていない扉を何度も見る。
「彼らが心配かい?」
『え?』
「君は彼らとそこそこに仲が良いんだろう?」
そんなヒソカの言葉に苦笑する。
隣に居るんだ。流石に私の様子はバレるか。
『はい、少し心配です。…まぁ、大丈夫だとは思いますが』
それでも不安感はぬぐえない。そんな様子の私をヒソカは読めない表情で見つめる。
《残り1分です》
ゴォン_ アナウンスと共に扉の開く音。
っ来た!
『ゴン!キルア!クラピカ!』
「っわ!シーナ!」
思わず駆け出しゴンに抱きつく。
ああ、彼の体温が心地いい。
「シーナ!…怪我とか、してねーよな」
キルアが心配そうに見るもんだから少し驚き、微笑む。
『うん、してないよ。むしろ、皆の方が凄いボロボロだよ』
もちろん何故ボロボロなのかは分かっているが尋ねてみると、キルアはゴンと笑い「ちょっとな、」と頬をかく。
「それより本当にシーナが無事で良かったよ!シーナなら大丈夫だとは思ったけど」
『私はこう見えて強いからね』
「一人で降りてきたのか?」
ふとクラピカが私に問う。その問いに首を振る。
『一人じゃないよ』
振り替えるとヒソカさんと目が合う。どうやら彼はこちらのやり取りを見ていたらしい。ヒソカは私と目が合うと少し目を細めた。
『あ、レオリオ!』
「シーナ!お前ちゃんと出られたのか!」
少し遅れてトンパと並んで走ってきたレオリオは、私を見るなり目を見開く。
「上でお前がいきなり落ちたときはびっくりしたんだぜ!?ゴンやキルアは平気だって言ってたけどよぉ…」
『ふふ、ありがとうございます』
彼の私を心配していた気持ちは嘘偽りの無いもので、少し歯がゆい。
《タイムアップ!!
第3次試験通過人数26名!!》
直ぐにそう放送が流れ、本当にギリギリだったんだな…と思った。