永遠狂想曲

□1小節目
2ページ/5ページ

「神よ…私が何をしたというのです……!」
うち、ちゃんと神道だったよ。仏教じゃないよ。厳格なやつではないにしろ、人並みに信仰してたよ。ちゃんと毎日神棚にご飯あげてたじゃん。何この仕打ち。神は超えられぬ試練は与えませんって?やかましいわ!外国産の神様に用は無いんじゃ!!
「てか…なんで誰も起こしに来ないの…?」
もう夕方なんだよ?誰かしら怒りながら起こしに来てもよくない?は??
「あ、そだケータイ…えっ。」
私がいつも使ってるケータイじゃない…。あの、カバーが違うんですけど。とりあえず指紋認証…あっ、開いちゃうんですね、ハイ。え、今5月なの?!は?!バカなの?!
「……母さぁぁあん?!」
バタバタ音を立てて走っても怒られない。バンッと乱暴にリビングのドアを開けても怒られない。そして、家に誰もいない。
「えっ、ちょっ、ドッキリ?手こみすぎじゃない?さすがに悪趣味だよ?」
ダラダラと嫌な汗を流しつつ、いつもと変わらないはずの我が家を探索&家探し。ちょっと待って、食器が少ない。いや、食器だけじゃない。歯ブラシとかスリッパとか靴とか、全部少ない。というか私1人の分しかない。いや、食器はちょっと多めにあったけど。まさかと思って大事な物をしまっている所定の位置を探すと、目当ての物はすぐに見つかった…けど。
「嘘…でしょ……?」
私の保険証、学生証、母子手帳。見慣れた物とは違っていた。まず学生証、これ大学のっぽい。というか普通に大学って書いてある。ケーオウ…?ふざけた名前だけど、まさかあの慶應……?いやそんなはずは。私の学力では到底いけない大学だぞ、何を考えているんだ。次に保険証と母子手帳。大まかなデザインはさほど変わらないけど、この市町村のとこの名前。赤塚、区…?え、何この名前知らない周りに無い。えっ怖っ。私が知ってる赤塚区なんて…。はっ!!
「えぇ……。」
念のため窓から確認すると、フラッグカンパニー的なものが見えた。え、ちょっと待って。ごめんね私おバカさんだから処理が追いつかないの。これ、つまり私……
「…トリップした?」
本当に私は何をやらかしてしまったのでしょうか。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ