幻の7人目

□桃色の髪の少女
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涼太が誠凛に来てから数日がたった。

あれから今の所、何も起きていない。

このまま何も起きないといいけど…。

「みんなお疲れ。
片付け終わったら帰っていいから。」

リコ先輩はすたすたとどこかへ行ってしまった。

この頃、部活が終わるとすぐにどこかに行ってしまう。

何かあったのかな…?

片付けを終えてほとんどの人が帰っていった。

残っているのはたーくんとテツと私だけ。

たーくんはゴールに向かってボールを投げる。

暇つぶしのように見える。

「そういえば瑠姫さん。」

『何?テツ。』

テツは私の隣に座ってきた。

「いいんですか?黄瀬君のこと。」

『あぁ…。大丈夫、次に会った時にたくさんお礼しないとね。』

どんな風に楽しませてもらおうかな…。

「…瑠姫さん。顔が笑ってないです。」


ガラッ


テツがつっこんだ瞬間、体育館の扉が開いた。

「あの…。瑠姫ちゃんいますか…?」

『さつき…!?』

そこにいたのは桃井さつきだった。

「え…?」

さつきは私だとわからないみたいで不思議そうに見つめてくる。

…普通そうだよね。顔を隠してるんだからわかるはずがない。

テツや涼太がおかしいだけだ。

たーくんとテツだけだったからフードをはずした。

「!!
瑠姫ちゃーん…!」

私だとわかってさつきは泣きながら走ってきた。
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