幻の7人目
□疑問
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練習が始まって、私はノートに記録をとっていた。
さっきよりはだいぶ楽になった気がする。
私はリコ先輩の隣でコートの中を見る。
たーくんとテツがチームに入って、少しずつ変わり出している。
…1人1人の強さも少しずつだけど強くなっている。
「神崎。」
その時、日向先輩が私の隣に来た。
『どうしたんですか?
さぼってたりしたらリコ先輩に怒られますよ?』
「今は大丈夫だ。
…ちょっと聞きたいことがあってな。」
聞きたいこと…?
日向先輩を見るとコートの中を見ていた。
「幻の7人目ってことは試合に出てたんだろ?
女ってことがばれなかったのか?」
日向先輩は不思議そうに私を見てくる。
まぁ、みんなが思うことだよね。
だって、女子が男子の試合に出てるんだから。
『まぁ、短時間だし、毎回試合に出てたって訳じゃないですから。
男装もしてましたし。』
「男装?」
『ストバスの時にかぶっていたウィッグをつけてユニフォーム着てたんです。』
そうすれば、男に見えるし、口調も変えれば私だって気づかれなかったしね。
日向先輩は驚いた顔をしていた。