幻の7人目
□連絡
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たーくんに手当てをしてもらってそのまま寝ちゃったらしく、今日はたーくんの部屋で起床。
「リュウ、やっぱり病院に行ったほうがいいんじゃねーか?」
『大丈夫だって。これくらいたいしたことないから。』
たーくんは心配そうに私の頭を撫でている。
もう傷口はふさがってるし、たいしたことないのにたーくんは「念のため」って言って包帯を取らせてくれない。
「でも、学校は休んだほうが…。」
『平気だって。本当にたーくんは心配症なんだから。』
今はたーくんと一緒に学校に向かっている。
朝練だってあるし、試合だってあるんだから休んでなんていられない。
テツにも謝っとかないとね。
心配かけちゃったし…。
涼太にも言っとかないとずっと言ってそうだしね…。
『ほら、早くしないと遅れちゃうよ!』
「あ、あぁ…。」
私はたーくんの腕を引っ張って学校に向かった…。
***
ガチャ
体育館に入ってみるとまだ数人しかいなかった。
「んな急がなくたってよかったじゃねーかよ。」
たーくんはため息をついていた。
「怪我人が走るなっつーの。」
心配そうな目で見てくる。
『ご、ごめんね…。』
そういうとたーくんはそっと髪を撫でてくれた。