幻の7人目
□風邪
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『征十郎が言っていた通り、私はキセキの世代の7人目です。』
私は覚悟を決めて話し始めた…。
『帝光は勝つことが全てでした。
私はどこか足りないと感じてました。
…そんな時、大会である高校の試合を見ました。一所懸命でそしてとても楽しそうだった。』
「ある高校…?」
私は静かに頷く。
『そして私は勝つことが全てというのが嫌だった。
私はバスケをもっと楽しくやりたかったからです。』
あの高校が羨ましかったから…。
『初めてこの部活の練習を見たとき、思ったんです。
この人達と一緒に勝ちたいって。
…でも、私がキセキの世代って言ったらもしかしたら帝光と同じになってしまうと思っていいませんでした。』
勝つことが全ての学校にはなってほしくなかったから…。
「でも、キセキの世代と仲良かったじゃん。」
『人としてはみんないい人です。
ただ、試合になると違います。チームプレーなんてしなくなりましたから。
当たり前のように勝つ、それだけだったから…。』
みんなのことはいい友達だって思ってる。
だけど、バスケになるとみんな変わっていってしまった…。