サシャといっしょ

□サシャと芋
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三等身の少女──サシャというが──は1時間かけて説得した。

最初の30分はどんなに話しかけても逃げようとしているだけでコミュニケーションが取れなかった。
その後10分でやっと彼女の名前と芋が食べたいということが分かった。20分で蒸かした芋を作った。

今彼女は自分の半分もあろう芋をガツガツと食べている。
とても美味しそうに食べている。

俺も腹が減ってきた。でも蒸かした芋作るのはめんどくさい。
そういや、昨日買ってきたポテチあったな。
俺は枕の隣に置かれているスーパーの袋を引っ張り取る。中にはカップめんやレトルトカレーなどが入っている。

今欲しいのはおまえらじゃない、ポテチだ。あ、あった。

ポテチバターしょうゆ味。俺の好きな味。
袋を容赦なく縦に引き裂く。バターしょうゆの香りが俺の嗅覚を刺激した。

俺がポテチを一枚摘もうとしたら、サシャが動いた。

「むむ!なにか美味しそうなもの食べようとしてますね!」

サシャに与えていたはずの蒸かした芋はもうない。彼女のお腹に全て収まってしまったようだ。
食べるの早いだろ。そしてまだ食う気か。

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