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□好きが爆発しました☆
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それは、ラフプレーという名の自己防衛。
「・・・誠凛(みんな)の夢のジャマを、するな!!」
「誠凛再度逆転ー!!」
「まだだ!!最後まで手エゆるめんな!」
・・・そんな声がきこえるなか、花宮は少し考えていた。
(あいつは変わんねえな・・・)
あいつとは、昨年ラフプレーでケガをさせた男のこと。
名前は木吉鉄平。キライだなんだと思いながらも、本気でイヤにはなれない。・・・そんな奴だ。
「試合終了(タイムアップ)ーーーーーーー!!!」
そこで、花宮はハッと顔を上げる。どうやら試合は終わったらしい。
「負けだよ誠凛・・・あと・・・木吉・・・今まですまなかった・・・」
・・・そうだ、秀徳戦の前に会ったときもほんとは・・・あんな皮肉めいたことを言う気はなかった。
ただ今のように・・・謝りたかっただけ。
・・・けれど、
「なんて言うわけねえだろ、バアカ!__次は必ず・・・・・・つぶす・・・!」
・・・そう言ってしまうのは、己を衛ろうとしてきた・・・代償だろう。
「・・・やっぱすごい奴だと思ったよ。__またやろーな」
花宮は叫びながらコートを出ていく。
それを見送った後、火神が呟いた。
「・・・悔しいって感情はあるんだな、スね」
木吉は当たり前だ、と言いそうになるのをグッとこらえた。
・・・そもそも花宮だって、なにも昔からああだというわけではなかった。・・・が、
「キセキ達に負けてから・・・変わったんだ」
ラフプレーは花宮なりの防衛術。・・ニ度と負けたくないという欲求が彼を変えてしまった。
(いや、変わってないところもあるか・・・)
なぜなら・・・
「まこかわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!」
ビクッ!と誠凛メンバーの肩が揺れる。
「はあ!?」と日向がふりむいた。・・・ら、
・・・そこに木吉はいなかった。
「えっええええええええ!?」
1年が驚くなか、2年生は荒んだ声をだす。
「ほっとけ、ダアホ!」
「・・・木吉・・・あのバカ」
「ほら何してんの1年!・・・あんなのおいて帰るわよ!」
「・・・水戸部、だーいじょぶだって!」
「そうそう」
(オロオロ・・・)
・・・それをきいて、1年は思った。
(あ、気にしちゃダメなんだ。こーいうの)
それに頷くように、コートのそとでは悲しいくらいの風が吹いていた。
「まこおおおおおおおおおおおおおおおおお」
ドドロロロッ!ガッシャアアア!
「どうわっ!!〜〜〜〜っ!」
・・・突然現れたなにか・・・もとい木吉に、花宮はおののく。
「はっ!?な!?木吉!?」
「おう!そうだぞまこ!」
「・・・おい、その呼びかたやめろ!あと放せ!」
それを見ていた霧崎第一のメンバーは<ホワアアアアアアア>となっていた。
・・・まあしかたがないだろう。
いつもは毒舌ツンギレ陰口上等(?)ラフプレー連発え?デレはどこかにおいてきたの?・・
・な、花宮が。
・・・頬をかすかに赤く染めて照れている。
・・・照れている!(大事なことなので2回言いました)
「まあああこおおお」(すりすり)
「なあ!?なにすんだよバアカ!///」
「まこの髪はきもちいいなあ〜」
「〜〜〜めろ〜〜〜/////////!!!」
「・・・え?」
「やめろっつってんだよバアアアアアアカ!」
・・・ここで花宮選手、コンシンの右ストレートー(棒読み)
「・・・」プスプス←ゆげ上ってる木吉
「・・・おい、なにしてんだ行くぞ」
・・・みんななにも言わなかった。いや、言えなかった。
花宮は黒いオーラを身にまとっている・・・。
・・・しかし、その下に照れを隠しているのが分かるのは・・・木吉だけだ。