どうにでもなれ

□いち
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出会いはまあ突然ですよね。平々凡々なくのたまであるわたしシズがアホ面で中庭を歩いている時だった、何処からともなくレシーブだ!なんて声が聞こえたのだ。
まさか、自分の事とは思わないよ。この忍術学園に入学して五年間、何事もなく友達と平和に過ごしてきたわたしに、レシーブさせる人なんていないと思ってた。
だがそんな事を考えているがやはり予想は外れ、わたし目掛けてものすごいスピードで白いものが飛んでくるではないか。まあそれを咄嗟にレシーブできちゃったんですよね。
高く上がる白いボールを見ていたらそこに一瞬で現れた忍たま。

「いけどんアターック!」

そのようにその忍たまは力一杯打ってしまい、ボールは一瞬にして破裂した。うわああ、と強烈な光景に思わず声を漏らし後ずさりする。
だって、この人ボール壊したんだよ!?ボールって人の力で壊れるものなの?いやいや考えられないよそれは。夢だったんだ。これは夢だ。

ははは!と笑っちゃってる忍たまに恐れをなす。遠くのほうから委員長ー!なんて忍たま達が走ってきた。たぶんこの連中は何かの委員なんだろう。走ってきた下級生達は何故かわたしに向けて拍手をしだす。え?なにこれ?
謎の拍手に戸惑いながらさっさとこの場を離れ様と愛想笑いで背を向けようとした時だ。

「お前やるではないか」

と目の前にはボールを破壊させた委員長が立っていた。ひっ!いつの間にわたしの前に!
この忍たまはくのたまでかっこいいと噂の食満先輩と同じ色の制服のだから六年生だ。わたしの一つ上。一年の差でこれはないわ。

「お前、体育委員に入らないか?」

そ し て 突 然 の 勧 誘

体育委員?体育委員ってボールを壊す委員なんです?非人間の集まりですか?
そんなの答えは決まってるでしょ!

「遠慮します!!では!!!」

と、わたしは捨て台詞と共に走り去る。が、そんなわたしを追いかけてくる委員長。

くのたまとして平凡に過ごしているわたしの日常に、疾風の如く入り込んできたのがこの暴君だった。


「ぎゃあああ!!」
「遠慮はしなくていいぞ?」

必死に逃げるわたしに対して余裕の表情でわたしの隣に並ぶ委員長。恐怖のおにごっこのはじまりだった。
もうこうなったら

「絶対に嫌です!!!」

この暴君からは逃げ切れません。




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