いちばん!
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あの日から平くん…滝夜叉丸くんと距離が近くなった気がする。こんなわたしと仲良くしてくれるなんてやっぱり滝夜叉丸くんはいい人かもしれない。
午後の授業が終わり、庭の木の下で本を読んでいた時だった。
「千鶴」
「あ、滝夜叉丸くん」
相変わらずどや顔で戦輪をクルクルと回す滝夜叉丸くん。様になるけど顔がうざい。そのうざい顔もよく見たら整っている、というのがなんかもうギャグだ。
わたしの隣に腰掛けた滝夜叉丸くん。また自慢話が始まるんだろうな〜…
「千鶴、今日は戦輪の指導をしてやろう!」
と思ったら違った。
「あ!この前教えてくれるって言ってたもんね!」
「どうだ?今暇だろう?」
「うん!暇!」
「よし、行こう」
勉強や自主練で忙しいだろうに、わたしに戦輪を教えてくれるという滝夜叉丸くん。お言葉に甘えて教えてもらうことに。
器用に自慢話を挟みつつきちんと教えてくれる滝夜叉丸くんを素直にすごいと思いました。
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