いちばん!

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あの日から一週間。中庭を歩いてるところをまたいけどん先輩に捕まりました、どうも千鶴です。
いけどん先輩とは六年ろ組の体育委員長七松小平太先輩のことである。この前の獣である。…うそです、いまのカットで。
手加減をしてくれると思いきや全力でくる七松先輩。戸惑いつつも打ち返す努力をしたんだけど涙が出ちゃう。女の子だもん!もはや、やけくそでレシーブをするとなんと偶然打ち返せたのだが、もうそこで腕が使い物にならなくなったのだ。保健室行きなった。七松先輩が保健室まで運んでくれたのだが、運び方雑すぎて余計悪化しました。ありがとうございます。

腕のこともあり、数日は平和に過ごしていたのだけど、完治したと同時にこうやって捕まったのでした。今暇か?という言葉とともに俵の様に担がれる。もうその七松先輩の行動がお前の拒否権ねえからと語っていてわたしは泣きたいです。うう…滝夜叉丸くんの自慢話聞いてるほうが何十倍もマシだよお…。




「千鶴!?」

担がれて連れて行かれたそこには、滝夜叉丸くんと体育委員と思われる下級生が待っていた。え、なんで滝夜叉丸くんがここに。もしかして滝夜叉丸くんも巻き込まれた?…いや、違う。確か滝夜叉丸くんは体育委員だった筈。


「今日は三対三でバレーをするぞ!」

そういった七松先輩に全員嫌そうな顔をしていた。……委員長以外の心はひとつですよ、七松先輩。


「千鶴が何故ここに!?」


滝夜叉丸くんは、わたしがここにいることに驚き近寄ってくる。「暇そうだからって巻き込まれた」そうガックリと肩を落とすと

「七松先輩!千鶴は体育委員ではないですし、ついていけないと思いますよ」

滝夜叉丸くんがやんわりとわたしを入れない方向に仕向けてくれている…!わたしが体育委員じゃないからってちょっと馬鹿にしてる気がするけど、この際気にしてられない!


「そ、そうですよ。わたし体育委員じゃないですし、それに…」

滝夜叉丸くんの後ろに並び、わたしを見てビクビクしている一年生と二年生に目をやる。わたしがくのたまということですごく怯えてらっしゃいます。何もしないよ!と思っていても普段のくのたまの行いを見ればまあそうなりますよね。

ね!といえば七松先輩はうーーんと唸る。あ、七松先輩でも一応考えるんだ。


「こまかいことは気にするな!!」
「 で す よ ね 」




 

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