いちばん!

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ここ最近、滝夜叉丸が変わった。


「おい喜八郎、聞いているのか?」

自分の話しかしなかった滝夜叉丸が、あの滝夜叉丸が私のファンだとか言っていたくのたまの話しかしなくなった。あのどんくさそうな顔のアホっぽいくのたまを見る限り滝夜叉丸のファンだとは思えないんだけど、それは口にはしない。


「今日も何でも強引な七松先輩のいけどんマラソンに付き合わされていた不運で可哀相な千鶴を私がサポートしたのだ!そのおかげで千鶴は完走できた!ああ、私のサポートも素晴らしかった!」

ウザいうぬぼれも入っているけど珍しく人を馬鹿にしない滝夜叉丸に驚いた。


「四年生なら完走できて当たり前じゃないの」
「千鶴を馬鹿にするな!千鶴は人一倍体力がないのだぞ!」

いつも滝夜叉丸が何言ってるのか理解できないが、今の発言は本当にわけがわからなかった。そんな滝夜叉丸を見て気味が悪くなった僕はもう寝ることにする。


「喜八郎!こら!人の話を聞けー!」




 

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